美しい唄声と聴く人のハートにしみ通る唱法で人気の高いKetty-K(ケティー・ケィ)。2010年に発表したアルバム『ス・ワンダフル』の続編ともいえる全9曲の小型アルバム『バット・ビューティフル』。アメリカのギター奏者マーク・ワゴナー(Mark Waggoner)のソロをバックにしたユニークな組み合わせで、前作と同じくスタンダードのバラッド各曲を淡々と歌っていて、とても気持ち良く聴ける。ギターのプレイが実にすばらしく、ケティのさわやかなチャーミング・ヴォイスにぴったりと寄り添うようにサポートしてくれている。コンビがこれ程良いのは、ギターのマーク・ワゴナーが、前作アルバムを2009年7月ロス・アンゼルスで録音した時の演奏メンバーの一人で、その時も1曲「You Must Believe In Spring」を彼のギターだけで歌った経験があったからだ。前作アルバムの発売記念に、ケティは、レコーディング参加メンバーの中、マークとヘンリーを招いて2010年7月24日に、記念ライヴを武蔵野スイングホールで実施した。その時マークが滞日期間を利用して、ケティとのデユオセッションをしてくれた結果が、このミニ・アルバムの誕生となった。ジャズ・ヴォーカルでは、最近ピアノやギターとのデュオで歌う事が、ライブでも多くなっているが、レコーディングを全曲ギターの伴奏だけで通した例は少ないだろう。ケティは精進の甲斐あって、音程が完璧に近く正確になっているので、見事に全曲を歌いこなし、しかもそれぞれの曲の特色を生かしているので、楽しく聴くことが出来る。
ジェモー・レコーズ
発売・販売元 提供資料(2011/08/17)