全米CDデビュー&10周年記念(2011年時)となる、日本を代表するジャズ・ピアニスト/作曲家/アレンジャー、山中千尋のアルバム。1970~80年代のソウル/ブラコンをイメージしたトリオ編成による小気味よいサウンドの作品。 (C)RS
JMD(2011/06/13)
千尋のこれまで、そしてこれから。音楽活動10周年を迎えた山中千尋の2011年作。ジャズ、ソウル、ポップス、ブラジル、そしてオリジナル曲…、あらゆるジャンルを軽々と横断するチヒロ・ミュージックの総決算。“グルーヴの帝王”バーナード・パーディーをドラムスに、名手ラリー・グレナディアをベースに迎えたトラックを含む、「コンテンポラリー・スタンダード」集。本作のテーマはソウル&ブラコン!山中一流のオリジナリティ溢れる作曲/編曲の楽しさはそのまま、より華やかに進化した音世界を表現した意欲作!マスタリングは、過去にジョージ・ベンソン、ア・トライブ・コールド・クエスト、デスティニーズ・チャイルド、Ne-Yo、タイオ・クルーズに至るまで、あらゆる世代のブラック・ミュージックを手がけてきた職人トム・コインが手がけています。
ユニバーサル
発売・販売元 提供資料(2011/06/07)
前作の『Forever Begins』をもって全米デビューを果たした山中。2011年6月にニューヨーク、イリディウムで行われた記念ライヴのドラムがバーナード・パーディーだった事は耳にしていたが、新作でも叩いていると聞いて驚いた。しかし「え、今回ファンクなの? R&Bなの?」と一瞬よぎった安直な発想とは大きく異なり、前作を踏襲する、耳にひっついてくる良質なメロディと、グルーヴの濃度を増したスウィンギーなオープニングのオリジナル・ナンバーにグッと引き寄せられた。ベースは馴染みのラリー・グレナディア、脇義典、もう一人のドラマーには2011年30歳、レコーディングでは初顔合わせとなるジョン・デイヴィスを揃えた。ホレス・シルヴァー、バート・バカラック、マルコス・ヴァーリのほか、キャロル・キングにコルトレーンを掛け合わせたメドレーや、フランキー・ヴァリ~ボーイズ・タウン・ギャングで知られる《君の瞳に恋してる》などの実にヴァラエティに富んだ選曲が、彼女ならではの統一された世界観で表現される。
intoxicate (C)押塚岳大
タワーレコード(vol.93(2011年8月20日発行号)掲載)