カナダ出身でパリを拠点に活動しているチリー・ゴンザレスことジェイソン・チャールズ・ベック。今回リリースされる『THE UNSPEAKABLE CHILLY GONZALES』は、多種多様なプロジェクトを発表してきたゴンザレスにとっても、自身初となるフル・オーケストラとのコラボレーション・プロジェクト。オーケストラのシンフォニックなトラックをバックに、彼が独特のラップを乗せるという前代未聞の試みを行っている。ハリウッド映画的サウンドに、プロコフィエフ、モリコーネ、フィリップ・グラスといった名作曲家に影響されたという魅惑的なベルの音色が特徴。チェンバー・オーケストラの生演奏をフィーチャーし、ライヴ・レコーディングされた本作においてゴンザレスは現代における本物のマエストロとは何かを追求し見事に成し得ている。
DIS
発売・販売元 提供資料(2011/05/24)
ピアノ・ソロやダンス・ミュージックなど、アルバムを出すごとに多才ぶりを発揮するカナダ出身の奇才、ゴンザレス。今回のアルバムでは、オーケストラを相手にまたしても奇妙な世界を生み出している。映画音楽やクラッシックにインスパイアされたというドラマティックなサウンドと、苦み走ったゴンザレス流のラップが融合。悪趣味と洗練が正面衝突したアクの強いポップさは、流石の腕前だ。
bounce (C)村尾泰郎
タワーレコード(vol.333(2011年6月25日発行号)掲載)
『ソロ・ピアノ』でその名を知った人も多いであろうゴンザレス。一つ処に留まるのを良しとしないトリックスター振りで、70'sのエッセンスが濃厚な『Soft Power』、ボーイズ・ノイズをプロデュースに迎えた『Ivory Tower』と同一人物の仕業とは俄には信じがたい触れ幅の音楽を提供して来た。そして今回は何とオケを従えて自身のラップを披露しているのだ。ハリウッド映画的ダイナミクスとモリコーネの哀感、グラス的ミニマルさも感じるオケアレンジにひたすらラップを乗っけるなんて誰が他に成し得るだろうか?
intoxicate (C)池田敏弘
タワーレコード(vol.92(2011年6月20日発行号)掲載)