クラムボンのミトや、きだしゅんすけが音楽を担当した映画『マイ・バック・ページ』のオリジナル・サウンドトラック。 (C)RS
JMD(2011/06/09)
60年代から70年代に移り変わる、激動の時代を背景にした異色の青春映画。サントラを担当したのはmito(クラムボン)ときだしゅんすけで、mitoがアコースティックでメロウなナンバーを、きだがクラシカルでアヴァンギャルドなナンバーを手掛け、切なくてシリアスな本編の空気を映し出す。そんななか、劇中で妻夫木聡と松山ケンイチがいっしょに歌う、CCR<雨を見たかい>が泣けるんです。
bounce (C)村尾泰郎
タワーレコード(vol.333(2011年6月25日発行号)掲載)
そぎ落とされたサウンドによる深い世界。サンタオラージャあたりのファンはぜひ。
『マイ・バック・ページ』(2011)
サウンドトラック
音楽 ミト&きだしゅんすけ
監督 山下敦弘
主演 妻夫木聡、松山ケンイチ、古舘寛治
映画評論家としても知られる硬派作家、川本三郎の回想録を映画化。若きジャーナリストと活動家を夢見る若者の不思議な友情を描く。まさに、よみがえるATG映画の香り。監督は、未だ30代という若さながら、邦画シーンを変えた傑作『リアリズムの宿』『リンダ・リンダ・リンダ』『松ヶ根乱射事件』などがすでにある名匠山下敦弘。今をときめくスター俳優ふたりをすえながら、人間関係の正解のないテイストを山下流に描く。山下作品には、生粋の劇伴作曲家志向というよりも自分の世界を持つアーティストへの依頼が多いが、今回も、まさにクラムボンのミト氏に依頼。ミト自身の生ギターとチェロ(ラーメンズ舞台の音楽でも知られる徳澤青弦!)のみや、ウッドベースのみ、など、そぎ落としにそぎおとした音で奏でられた世界で、深く作り上げる。そして、過激な側の劇伴を担当したのは、こちらも絶賛された『婚前特急』に続いて早くも劇伴2作目となるきだしゅんすけがエレクトロを駆使したトラックなども用意しつつも、少人数による弦の響きのみのサウンドに集約していったりする。音響系、そしてサンタオラージャや大友良英、安川午朗あたりの映画音楽に興味の深い方は、ぜひ、聴いてみていただきたい。 (C)馬場敏裕
タワーレコード