3 枚のミニ・アルバムと1 枚のシングルを経て、遂に届けられたcinema staff 初のフル・アルバムは、まさにバンドの覚醒を告げる1枚。アンサンブルはこれまで以上に複雑で、創造性に富んだものであり、もはやジャンルでカテゴライズすることは不可能。ますます存在感を増している飯田のボーカルを軸に、ポップもオルタナティヴも内包した「cinema staff」という真にオリジナルなバンドへと成長を遂げている。作品の背景にあるのは、内陸の岐阜県で育ったメンバーの海に対する憧れ。砂漠から海を目指す長い旅路は、未来への不安や戸惑いを抱えながらも、前向きに一歩ずつ進み、現状を乗り越えていこうとするバンドの姿がそのまま反映されている。アルバムのラストを飾る“ 海について” は、3部構成の7分を越す大作で、彼らにとって一つの到達点とも言うべき名曲。そこに広がる大海原は、まだ見ぬ多くのリスナーとの出会いを予感させると同時に、彼らの果てない可能性をも感じさせる。
発売・販売元 提供資料(2011/04/12)
精巧なバンド・アンサンブルとポスト・ロック的なサウンド・プロダクションは、まさに残響印。その物語性の高い音世界でメロディアスに響き渡る歌が、複雑な展開の楽曲にポピュラリティーを引き寄せている。この初のフル・アルバムに投影されているのは、内陸で育った4人の<海に対する憧れ>。3部構成/7分以上をかけて雄大に開けゆく"海について"が、全11曲から成る道程のエンディングを感動的にしている。
bounce (C)土田真弓
タワーレコード(vol.332(2011年5月25日発行号)掲載)