90年代から活躍するNY出身のアーティストで、ダンストラックはもちろん文学的・映画的なインスピレーショナル・サウンドも持ち味のモービーによる2年ぶり9作目。ツアーで世界中を飛び回る生活のなかでの心情を表現したもので、深夜の静寂、孤独、哀愁、不安といった感情が交差する音像だ。ライナーノーツには自身による写真が配されている。
タワーレコード(2011/05/10)
約2年ぶりのオリジナル・アルバム。午前2時に誰もいない街で流れているような、メロディックでエレクトロニックな音楽。温もりが増し、更に研ぎ澄まされたモービー・ワールドへようこそ。様々なダンス・ミュージックをブレンドするのが特徴的で今やエレクトロニック・ミュージック・シーンにとって欠かす事の出来ないアーティスト、モービー。世界中をツアーで回っている際に撮った写真を綴った自身初となる写真集のリリースと共に完成させたアルバム。写真集の写真が撮られたのと同時期に世界各地のホテルやスタジオで概ね作られた作品。前作『Wait For Me』同様、センチメンタルで美しく、決してローファイではないドラマティックな新作が完成。EMILY ZUZIKやINYANG BASSEY、JOY MALCOLMなどが参加。
EMI
発売・販売元 提供資料(2011/03/28)
<環境音楽ってこれだよね>と思わず頷いてしまった、シンプル型に回帰しての新作。ガランとした空港ジャケ(by本人)と同様に、何かを強く訴えるのではなく、レンズの向こうから傍観するかのようなソニック景観。ツアー先のホテルで眠れぬ夜に作られたそうで、ほとんど感覚の麻痺した午前2時の空気感がたっぷりと。少ない情報量で聴き手の心の隙間に忍び込み、イーノや2000年代初頭のエレクトロニカ勢とも共振する。
bounce (C)村上ひさし
タワーレコード(vol.332(2011年5月25日発行号)掲載)