| フォーマット | DVD |
| 発売日 | 2011年06月25日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| レーベル | 紀伊國屋書店 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | KKDS-482 |
| SKU | 4523215037860 |
構成数 : 1枚
合計収録時間 : 01:25:00
1970年にアンチテアターを解散した後一年のブランクを経て、ファスビンダーは新作映画『四季を売る男』を発表する。その間に彼はハリウッドメロドラマの巨匠ダグラス・サークの映画を立て続けに鑑賞し、「そこには世界で最も美しいものがあった」とエッセイで述べるほどの感銘を受けた。ファスビンンダーはサークの強い影響下に『四季を売る男』を監督し、平昜なストーリーテリングで幅広い観客層に受け入れられる映画作りを目指した。それでいて商業娯楽映画の欺瞞的な展開とは一線を画するファスビンダー独自の批判的な世界観はやはり一貫している。
何をやっても上手くいかない破滅的なハンスの人物像は、実はファスビンダー自身の叔父をモデルにしているという。すなわちこの物語本来の舞台は1950年代、ファスビンダーが幼少期を過ごした近過去である。レコードから聴こえる流行歌、室内の装飾や観葉植物など戦後ドイツの小市民の息詰まるような生活空間はどこか時代錯誤でキッチュだ。しかし同時に物語のメロドラマ様式は時代を超越しており、DV、離婚騒ぎ、病気と夫婦の和解など日常的な出来事の連鎖は、現代の観客にとってもアクチュアルな内容だ。そこにハンスの過去の行状がフラッシュバックされる。はたして彼の破滅は彼自身のせいなのか、それとも周囲の無理解にあるのか。この映画の後半に流れるピアニカの優しいメロディは「小さな愛」と題され、ファスビンダー自身が作曲したものである。この曲は映画『不安は魂を食いつくす』でもライトモティーフとして用いられており、ファスビンダー映画に密かな連続性を与えている。
原題 DER HANDLER DER VIER JAHRESZEITEN
1977年10月7日日本公開(東京ゲーテ・インスティトゥート提供)

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