エイベックスが自信を持ってオススメするガールズ・ダンス&ヴォーカル・グループのファースト・アルバムが到着しました!彼女たちの煌めきあふれるスタートを後押しするデビュー・シングル「キラリ☆」、カヴァー曲の「Love like candy floss」などを収録。パフォーマンスを通して音楽の楽しさを伝えます♪ (C)RS
JMD(2011/05/02)
<アイドル戦国時代>--そう言われてるほどの活況を実感できていない諸兄姉も多いかと思われますが……というのも、多くはグループで、活動のメインはライヴ(もしくは営業という言い方も)という、生で体験してナンボの世界を体現しているのが大方。まあ、そういう芸人的スタイルがイマドキと言われればそれまでなんですが、そもそも<シーン>なんてこぢんまりとしたところで盛り上がってるのがアイドルじゃない!(輪に加わればそれなりのメリットもあるんでしょうが)、アイドルの輝くべき場所はお茶の間なんだ!……ってな小難しいこと言ってるオジサン(筆者)でも、気になってならないグループのひとつが東京女子流なわけで。彼女たちの楽曲にはお茶の間レヴェルの体温で接しても胸躍らされるキャッチーさと、迂闊にリピートしてしまう芳醇なサウンドメイクがある(ヤング・ソウル感をもたらした編曲のRoyal Mirrorballこと松井寛、グッジョブ!)……ってのが大きな理由なんですが、ようやく出たファースト・アルバム『鼓動の秘密』でも、そのチャームを大いに振る舞ってくれるわけです。アルバム・タイトルよろしくハートの鼓動音による静かなイントロから、いにしえのフレンチ・ポップさながらのメランコリーを湛えたタイトル・チューン(この時点で中学生時代に返ったような胸の高鳴りが!)へと流れ、そして……ってところで文字数リミット。あとはお願いします、編集長!
bounce (C)ピース! 久保田
タワーレコード(vol.331(2011年4月25日発行号)掲載)
本道あっての邪道。メインストリームあってのオルタナティヴ。しかしながら、楽屋オチや内輪ノリやメタな構造も引っ括めたカウンター的な手法が共通認識とされ、ギミック込みの存在感作りがスタンダードになっているのだとしたら、普通に歌って踊ってるだけの(ように見せる)行為が何とオルタナティヴな選択であることよ、と思えてきたりもするのです。どっちが良いとかいう話ではありませんが、現時点での平均年齢がおよそ13歳というこの5人組、東京女子流もそういった数少ないオルタナなグループのひとつ、と言えましょう。ゼロ年代的なあれこれの残り香を微塵も感じさせない正統派の佇まいも珍しい彼女たちですが、今回のファースト・アルバム『鼓動の秘密』もその豪速球ぶりを貫いた内容になっています。基本は5枚のシングルで披露されてきた屈指の名曲群+αという体裁ながら、門外漢も楽曲そのもののパワーでねじ伏せるには最適なパッケージでありましょう。例えばキッズ・ソウル的な旨味を凝縮した"おんなじキモチ"や"ゆうやけハナビ"に、Folderの女子メンバーが"Glory Glory"の先に描くはずだった(ってのは妄想ですが)世界が、少しの稚気を帯びつつもグルーヴィーに再現されていることに私は感動します。同路線では歌謡性の強い"きっと忘れない、、、"やシャープな"ヒマワリと星屑"(ちょいブルーな詞がFolderっぽい!)も問答無用でメチャクチャ格好良いですし、野球にまつわるエトセトラ的な"頑張って いつだって 信じてる"もマイラバ風の情緒豊かなバラード"サヨナラ、ありがとう。"も年相応の甘酸っぱさに好感が持てます。そして、トータルの素晴らしさにダメ押しするのがSweetSの哀愁チューンを受け継いだ"Love like candy floss"。あの先達が「てっぱん」しか残さなかったと思ったら大間違いですね。カヴァーということでやや毛色は違うものの、松井寛に全般のアレンジが託されていることもあって、全体にガチャガチャした感じはほとんどナシ。<+α>がやや微妙なのは気になりつつ、こうやってストレートを投げ続けてくれることを願ってやみませんが……。
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.331(2011年4月25日発行号)掲載)