ブルーグラス界のみならず現代アメリカ音楽の至宝アリソン・クラウス&ユニオン・ステーションの2011年アルバム。ユニオン・ステーションとの作品は、グラミー賞を3部門で受賞した2004年『Lonely Runs Both Ways』以来、約7年ぶり!またロバート・プラントとの共演でグラミー賞主要部門“Record Of The Year”“Album Of The Year”を獲得したアルバム『Raising Sand』から4年振りのアルバムです。本作はナッシュビルにて、エンジニアにMike Shipley(Maroon 5、The Cars、Def Leppard、Joni Mitchell)を迎え録音、プロデュースはバンドで手掛けた。ブルーグラスの達人たちが勢ぞろいのバンドというのは周知の事実だが、実はブルーグラスのみならずあらゆるジャンルの音楽も作れる彼らは、これまで映画『コールド・マウンテン』『オー・ブラザー』なども手掛けアメリカのルーツ・ミュージックの復興に大いに貢献。 アリソン・クラウスはルーツ・ミュージック、カントリー、ロック、ポップスと幅広く歌える数少ない女性シンガーで、これまでジェイムス・テイラー、フィッシュ、ドリー・パートン、ヨー・ヨー・マ、ボニー・レイットなどとも共演。これまで獲得した26ものグラミー賞は、女性アーティストとしてはグラミー史上最高、男性も含めると3番目というアメリカを代表するアーティストです!アリソンとは長い付き合いになるソングライター、ロバート・リー・キャッスルマンをはじめ、ピーター・ローワン、ヴィクター・クラウスなどが詞、曲を提供、さらにはマイケル・ジャクソンもカヴァーしていたジャクソン・ブラウンの「My Opening Farewell」、リチャード・トンプソンの「Dimming of the Day」のカヴァーなども収録。
発売・販売元 提供資料(2011/03/14)
ロバート・プラントとの「Raising Sand」(2007年)がグラミー賞で6部門を獲得!という快挙を成し遂げたアリソン・クラウス。そのために多忙を極め、この名義での新作は実に7年ぶりとなる。ブルーグラスとカントリーとポップスをブレンドしたあの麗しい音楽との再会を、首を長くして待っていたファンにとってはまさに待望の一枚だろう。落ち着きのある美しい歌声と、その歌声に自然と寄り添うユニオン・ステーションの演奏が聴こえてきた瞬間、気持ちが和らいでいくのが自分でもよくわかる(そう、彼女の声そのものが何よりの滋養なのだ)。必要以上にポップな衣装を着せることのない、さりげなさがとても良い。もうこれは<アメリカン・スタンダード>と呼んでしまいたい音楽だね。
bounce (C)鈴木智彦
タワーレコード(vol.332(2011年5月25日発行号)掲載)