Watch Out! !Ten Cuidao!

マンボ・キングと呼ばれ、NYラテンにおける史上のカリスマ、ティト・プエンテ。そのプエンテ率いるオーケストラで長年鍛え上げられた伝説のミュージシャンが中心となって誕生した、その名も“マンボ・レジェンド・オーケストラ”(MLO)が、ついにファースト・アルバムをリリース。全世界のラテン・ファンが、その動向に注目を向けるスペシャル・プロジェクト。MLOを立ち上げたのは、サキソフォン／フルートのトップ・プレイヤーとして百戦錬磨の名手ミッチ・フローマン、そして同じくパーカッショニストの重鎮ホセ・マデーラ、さらに、名門楽器メーカーが後ろ盾となった「ラテン・パーカッション・ジャズ・アンサンブル」でも名を馳せたボンゴセーロ、"エル・ダンディ"ことジョニー・ロドリゲスという3人が中心。彼らは、数十年来に渡りティト・プエンテ楽団で培った実力を武器に、セリア・クルース、エクトル・ラボーほか、多くのファニア系ビッグ・ネームのサポートなどNYラテン・セッションにファースト・コール・プレイヤーとして参加。さらには、あのスパニッシュ・ハーレム・オーケストラにも名を連ねている。実は、この3人とMLOを構成するメンバーは、やはりティト・プエンテ楽団出身者で構成される名ユニット「ラテン・ジャイアンツ・オブ・ジャズ(LATIN GIANTS OF JAZZ)」とも重複するのだが、MLOでは重厚なブラス・セクションとリズムの「マンボ」に特化した点が最大のパフォーマンス・トピックである。ハイ・テンポ～ミディアムまで、地を揺さぶるようなホーン・アンサンブルの迫力と、否応無しにステップを誘うリズム・セクションのビート・フレーズ、そして快活でコクのあるヴォーカルがグイグイ引っ張る。古くは1950年代～1960年代にフロアを席巻した「マンボ」の粋が、伝説を受け継ぐ演奏家軍団によって現代にアップデートされた最高のトラックが並ぶ2CD全16曲。サルサよりもゴージャズで、かつジャジー＆スタイリッシュなセンスを心ゆくまで堪能できるサウンドに興奮。これをただのラテン／サルサ系ニュー・リリースと思う無かれ。そのクオリティと存在意義は、既にスパニッシュ・ハーレム・オーケストラの域をも凌駕。NYラテン・シーンに大きな足跡として永遠に残ることは、まず間違いない。全ラテン・ファン卒倒必至の素晴らしさ！