古くはアントニオ・カルロス・ジョビンのバンドに参加し、2000年代初め頃には、パートナーのジャキス・モレレンバウムと坂本龍一とのユニット、モレレンバウム2/サカモトによって日本でも一躍有名になったブラジルのシンガー、パウラ・モレレンバウムが、親交の深いブラジル音楽の巨匠ピアニスト/コンポーザー、ジョアン・ドナートの曲を取り上げ、ドナート本人を迎えてセルフ・プロデュースで作り上げた傑作!ジャキス・モレレンバウムはもちろん、カシンやベト・ビラレスといった気鋭のプロデューサーたちによる清新なアレンジとパウラの艶やかな歌唱で甦るドナートの名曲の数々。ジルベルト・ジル作詞の曲が3曲入っているが、何とそのうちの1曲「A Paz」では、パウラとドナートが大貫妙子によるオリジナルの日本語歌詞も歌っている。
P-VINE
発売・販売元 提供資料(2011/01/07)
これは実に素晴らしいコラボ。パウラがドナート御大の名曲を歌うという企画モノには違いないが、彼女の伸びやかな美声と御大の跳ねまくる特徴的なピアノ&ローズ、そんな両者の魅力が対等にフィーチャーされ、見事に溶け合った逸品で、ジャジーMPBから打ち込みを使ったメロウなクラブ・ブラジリアンまで、全編に漂う清涼感と軽やかなムードが抜群に気持ちいい。ジャキス・モレレンバウムやカシン等も参加。
intoxicate (C)田中幹也
タワーレコード(vol.89(2010年12月20日発行号)掲載)