カエターノ、ジル、エドゥ、シコ…。デビュー間もない彼らの動く姿に感涙!現代ブラジルMPB誕生を克明に記録した、1967年「第3回ムジカ・ポプラール・ブラジレラ」の一夜を捉えたドキュメンタリー映画「ウマ・ノイチ・エン1967」のDVD版!1960年代後期、ボサノヴァが終焉を迎え、新たなムーヴメントとして産声を上げつつあった“MPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ)”。当時、MPB躍進の一つの象徴的イベントとして催されたのが“フェスティヴァル”と呼ばれる当時の歌謡祭である。フェスティヴァルはTV局や大学などが主催となり、既にプロとして活躍していた新人のミュージシャンや、デビュー前のアーティストの卵に門戸を開き、その楽曲とパフォーマンスを競い合うというコンテスト。当時フェスティヴァル凌ぎを削ったミュージシャンたちが、メディアやオーディエンスからの支持を受けて、後のブラジル音楽シーンの中核として活躍していったという重要な舞台でもあったのだ。そんなフェスティヴァル史上でも特に重要かつ中身の濃い大会とされている1967年10月21日、サンパウロのキー局であるTVレコード社が主宰/同地のパラマウント劇場で開催されたたフェスティヴァルにスポットを当て、貴重なフェスティヴァルの模様と、当時出演したミュージシャンが語る当時のエピソードを記録したドキュメント映画「1967年のある夜」(ブラジルでは2010年4月に公開上映された)のDVD化がついに実現。1967年のフェスティヴァルを席巻したのは、何と言ってもカエターノ・ヴェローゾの初期名曲として知られる「アレグリア・アレグリア」である。後のトロピカリアへの布石とも言うべき力のこもったメッセージとキャラクターにおいて、既に圧倒的なインパクトを与えているのが当時の映像から窺い知れる。そして、朋友ジルベルト・ジル。既にメジャー・デビューしていたジルは「日曜日の公園で」を快演。さらにシコ・ブアルキ、彼は前年の1966年に「A BANDA」のヒットで既に人気を得ており、1967年は名曲「RODA VIVA」をMPB4との共演で発表。その地位を確固たるものへとしていった。また、同世代のキーマンである、若かりしエドゥ・ロボは、傑作「ポンテイオ」を1967年に発表。マリリア・メダーリャとのデュオ、そしてかのエルメート・パスコアル率いるクアルテート・ノーヴォをバックにした熱演は異彩を放っている。他にも、後にジョーヴェン・グアルダの帝王となるホベルト・カルロス、そしてエレンコにも作品を残す硬派アーティスト、セルジオ・ヒカルドの演目などが当時の映像として収録されている。また華々しき当時の記憶と、フェスティヴァルの背景/舞台裏を語る各々の現在の姿も興味深い。長くブラジル音楽界を牽引してきた名士が、フェスティヴァル時代に思いを馳せ、目を輝かせながら語る姿も印象的だ。フェスティヴァルに出典された楽曲は、当時のアナログ・レコード等にシリーズで記録されているものもあるが、今回のように、よりリアルな形で映像化されたものは、実に貴重。現代ブラジル音楽の世界的波及の礎として、すべての好事家に堪能して頂きたい画期的な映像作品であることは、間違いない。
発売・販売元 提供資料(2010/11/11)