各所から絶賛を浴びた前作『drifting devil』発表後、真に注目されるミュージシャンとなった石橋英子。待望の今作はジム・オルークのプロデュースによる、彼女の素晴らしき才能が溢れ出した最上級のポップアルバム。勝井佑二(ROVO)、山本達久をはじめ、数人のゲストプレイヤーが参加! (C)RS
JMD(2010/11/01)
七尾旅人、Phew、タテタカコ、長谷川健一を始め、高く評価されている音楽家たちの作品/ライブにて演奏家、プロデューサーとして活躍。また、年間100本以上のライブや海外ツアーなど、活動の幅を飛躍的に広げている石橋英子。七尾旅人や山本精一などが参加し、大絶賛された前作以来、待ち望まれた約2年ぶりの作品が遂に完成。近年、共演も多く、彼女の才能を認める仲間の一人でもあるジム・オルークをプロデューサーに迎え制作された本作。ジムによるプロデュース作品としては2006年に発売されたべス・オートン『コンフォート・オブ・ストレンジャーズ』以来、5年ぶりとなる。本作はこれまで作品の中でも特に『歌』、そして『声』に焦点が当たった作品ともいえる。繊細かつ重厚なアレンジだからこそ、はっきりと浮かび上がる美しいピアノと声。どの楽曲も映画のようにイメージが次々と浮かび上がってくるような、ドラマティックに展開する最高のポップスである。ジャンルや国境をも簡単に飛び越えて愛されるであろう、真のマスターピース。
P-VINE
発売・販売元 提供資料(2010/10/21)
<歌にフォーカスしたアルバム>という前情報はあったが、これほどまでとは。プロデュース/録音/ミックス(と大量の楽器演奏)をジム・オルークが担当、“Coda”はbikke(Lovejoy)と詞を共作し、さらには若手最重要ドラマーと言える山本達久(NATSUMEN他)や敏腕ヴァイオリニスト・勝井祐二(ROVO)なども参加陣に名を連ねる。自身も含め、非凡すぎる才能が集結した結果生み出されたのは、各人のプレイヤビリティーも前衛的な曲展開も流麗にトリートメントされた、清廉なるシンガー・ソングライター作品だ。静かに息づく生命の鼓動、視界を和らげる淡い光り――そんなオーガニックな情景を喚起する言葉が、クラシカルなピアノと可憐な歌声によってシネマティックに解き放たれる。その美しさこそが、衝撃。
bounce (C)土田真弓
タワーレコード(vol.328(2010年12月25日発行号)掲載)
あえて挙げるまでもなく、無数の奇才たちとのセッションやライヴ(年間100本以上だとか! )をこなし、いまや落とす鳥が見当たらないほど全力疾走中の女流アヴァン・ポッパー、石橋英子。いまだ新鮮な響きを保ち、名盤との誉れ高い『Drifting Devil』から2年、マルチな才の途方もなさに思慮深さも加わり、ポップスとしても機能する〈うた〉の魔力に磨きをかけた、もう一つの名作が誕生しました。これまでにも共演の多いジム・オルークをプロデュースに迎え、アレンジ~音の抜けの良さはもちろん、テン年代を象徴するなにかアナログな質感(Phewや山本精一の新作もそうだった)、鋭くて温かい、という妙を与えてくれる。山本達久、勝井祐二、波多野敦子ほか、bikkeも歌詞で参加するなど、周辺人脈も相変わらず刺激的。そして声だ。ときに凛々しく、ときに空っぽに漂い遊ぶ声が、すとんと心の隙間にこぼれ落ち、満たし、無性に何度も思い出しては聴いてしまう。
intoxicate (C)久保正樹
タワーレコード(vol.89(2010年12月20日発行号)掲載)