「昭和の日本映画の真のサントラ名盤」を発掘し続ける"富士キネマ"の10タイトル目の記念作は、なんと、ここ近年カルト的人気を勝ち得ている『幻の湖』!(1982年9月公開)。滋賀は雄琴のソープ嬢の愛犬の死から、戦国時代の悲しい物語へと展開、さらにはNASAまで巻き込んで……全く予想できない物語の難解さゆえ、公開当時は極端に少ない日数で上映は終了し、その後、長らく鑑賞の機会が全くなかった。しかし、唯一無二の壮大なオーラを持ったこの作品、映画ファンからまさに"幻の映画"と記憶されていたほど。監督は、『砂の器』『八甲田山』の巨匠脚本家の橋本忍、まさに渾身の一作であった。本作の音楽は、もちろん、名匠、芥川也寸志。リストの前奏曲をモチーフに、『八甲田山』の時とは違った深いアプローチを壮大に聴かせる。公開当時、ワーナー・パイオニアよりリリースされたサウンドトラックLPはプレス数自体が少なかった為、激レア盤となっていた。構成は『八甲田山』と同じく、LPのA面、B面をそれぞれ1曲と見立てて、トラック・タイトルを入れないスタイル(セリフは収録されていません)。また、本作以降、映画音楽の仕事を行わずに、7年後に亡くなった為、「芥川也寸志、最後の映画音楽作品」でもある貴重な作品である。初CD化。
発売・販売元 提供資料(2010/11/10)
美しく深い芥川也寸志最後の映画音楽。
『幻の湖』(1982)
サウンドトラック
音楽 芥川也寸志
監督 橋本忍
主演 南條玲子、光田昌弘、星野知子
琵琶湖湖畔の雄琴のソープランドに勤める女の愛犬が撲殺される。ランニングに生きがいを見出していた彼女は犯人に執念で近づいていく。あまりにも奇想天外なストーリー展開で、伝説となった異色の大作にして、巨匠、芥川也寸志の最後の映画音楽として知られるサントラ初CD化!リストの前奏曲をもとにした美しいオーケストラ・サウンドと、物語のキーのひとつとなる日本情緒あふれる笛のメロディを軸に、ドラマチックな世界が展開する。『八甲田山』で感動されたファンの方はこちらもどうぞ。 (C)馬場敏裕
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