21世紀も10年の時を経つつ、混迷の体となる世の中に投げられる渾身の1作。1980年代初頭に結成されたこのクエスト。ポスト・コルトレーン的な存在であったデイヴ・リーブマン、マイルス・グループ他を経たリッチー・バイラークを中心としたそのグループが当時から先鋭的な存在であったことは、言うまでもないことですが、そのサウンドには驚くばかり。本作は2007年のハンブルグでのライヴ録音。選ばれた曲には、「コンティニウム」や、「ペンジュラム」と言った、これぞリッチー・バイラークという曲も並び、この静と動のコントラストは、見事の一言。このダイナミズムこそが、メンバーそれぞれの持ち味でもあり、その個性の化学反応もクエストの魅力になっているわけですが、“ECM”に通じる透明感とミステリアスさを湛えた「コンティニウム」に対し、重々しくも躍動するリズムを基底に4者が炸裂する「ペンジュラム」への展開は、正に、このグループならではのものと言えましょう。しかし、凄まじいのは、タイトル曲!2分に及ぶ、リーブマンのソロ演奏になだれ込むようなバイラークのピアノ…、それは、鬼気迫るようなテンション感。この演奏を聴くと今のバイラークのすごみを感じるというものです。ライナー・ノーツは、マイケル・カスクーナが執筆。ブルーノートの録音にも携わり、優れたプロデューサーとして言わずとしれたそのカスクーナも絶賛の1枚。この彼らの活動には2011年以降も目が離せそうにありません。
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2010/12/13)