1952年生まれのレイ・アンダーソン、1955年生まれのマーティ・アーリックと、ほぼ同世代。主流派とは一歩引いたアメリカのシーンでアグレッシブで独自の音を表現してきた奏者2人の2009年スイスでのライヴ。双方奏者とも、1990年代辺りのニッティング・ファクトリー~ストーン(~トニック)といった一連の周辺でギグを繰り広げ、多くの作品もリリース。それに比すると2000年代は、名前を聞く回数が減った印象も…。しかし、1980年代から作品をリリース(しかも名のあるレーベルで)出来る人というのは、確かなものを持っているというものです。この2人にとっては、必然とも言えるピアノレスのカルテット。ハーモニーを縛られることなく、自在に自らのフレーズを好き勝手に吹きまくり、絡み、遊び心もたっぷりに演奏する2人は、潔くて、気持ちいい!です。流暢なアーリックに対して、レイ・アンダーソンのユーモア心も面白い所。爆裂のM5、6辺り、これ、レイ・アンダーソンならでは!です。Mベース、トリスターノ再評価などという流儀が大きく展開されても、大きく影響されることなく、誰々派などということと無縁に生きてきた2人。あるのは、ポスト・ハード・バップという枠を解放したジャズの世界での、レイ・アンダーソン表現であり、アーリック表現であるということのみ。会場も大盛り上り!ピアノレスの自由な表現が聴けるエキサイティングな1枚です。
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2010/12/13)