フォーマット |
CD |
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構成数 |
1 |
国内/輸入 |
輸入 |
パッケージ仕様 |
- |
発売日 |
2010年10月19日 |
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規格品番 |
88697789202 |
レーベル |
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SKU |
886977892028 |
その昔、シューマンの「楽園とペリ」で純情可憐なペリを歌っていた頃からのケルメス・ファンとしては、最近の彼女の活躍ぶりは心から嬉しい限りです。あの頃よりは若干声に貫禄が増して、今や押しも押されぬ「バロックの歌姫」としてしばしば私たちの前に現われては新しい感動を与えてくれました。今回の彼女の最新アルバムは、前回の超絶技巧を駆使したものとは違い、しっとりとした愛の感情を表現していくもので、彼女の別の面を見ることができましょう。また、ここに収録されたほとんどのアリアが世界初録音という、注目の素晴らしい1枚です。
Le Musiche Noveは、カッチーニからハイドンの知られざる作品を中心に復興を手掛けるオリジナル楽器による小弦楽アンサンブルで、リーダーのクラウディオ・オセレは、様々な当時の楽譜の再編を手掛ける研究家でもあり、ヴィヴァルディのオペラをはじめ、サリエリの楽譜の復興も行っています。またチェチリア・バルトリのアルバムの楽譜監修も行っていました。
ソニー・ミュージック
構成数 | 1枚
合計収録時間 | 01:14:00
録音 | ステレオ (---)
A.スカルラッティ:
「Il mar de le mie pene」「Ondeggiante agitato」「Cara tomba」
「Canta dolce il rosignolo」「Qui dove... Torbido irato e nero」
G.B.ボノンチーニ:「Frondi tenere... Ombra mai fu」「Dice Tirsi」
A.カルダーラ:
「Ha vinto Amor... Per combatter con lo sdegno」
「Se vedrai avvampar le lucciolette」 「Fiamma ignota」
A.M.ボノンチーニ:
「Piu che freme il nembo irato」「E'deliquio... Sonno se pur s'e sonno」
N.マテイス:「Balletto」
R.ブロスキ:「Chi non sente」
【演奏】
ジモーネ・ケルメス(Ms)
クラウディオ・オセレ(ディレクター)
Le Musiche Nove
【録音】
2010年4月21-25日 グスタフ・マーラー・オーディトリウム(デジタル:セッション)
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1.[CD]
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1.Telemaco: Act 1. Scene 6. Il mar de la mie pene
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2.Xerse: Act 1. Scene 1. Frondi tenere... Ombra mai fu
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3.Il prigioniero fortunato: Act 3. Scene 7. Ondeggiante, agitato
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4.Mitridate Eupatore: Act 4. Scene 2. Cara tomba
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5.Cajo Marzio Corioloano: Act 2. Scene 7. Ha vinto Amor... Per combatter con lo sdegno
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6.Endimione: Act 1. Scene 5. Dice Tirsi
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7.La conquista del vello d'oro: Act 3. Scene 9. Piu che freme il nembo irato
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8.La gloria di Primavera: Canta dolce il rosignolo
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9.Balletto
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10.Erminia: Qui dove... Torbido, irato e nero
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11.Il nome piu glorioso: Se vedrai avvampar le lucciolette
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12.L'Olimpiade: Act 2. Scene 4. Fiamma ignota
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13.Griselda: Act 2. Scene 9. E deliquio... Sonno, se pur se' sonno
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14.Merope: Act 1. Scene 13. Chi non sente
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Simone Kermes女史のPVで聴いて以来、兄ボノンチ―ニ〈Ombra mai fu〉を愛聴。PVを見ては一緒に感涙しながら聴くほど、彼女の歌唱でこの作品を聴くのが好きなのだ。彼女のコメントが、幸い英語字幕がついているので読解可で、ヘンデル作品よりも、シンプルで美しいから好きと語っている。彼女が歌ったこの〈Ombra mai fu〉は、私には救世の木陰であった。そして、この作曲背景は、劇的でもあった。
ナポリ楽派の特徴か、父スカルラッティ同様、朗唱部分もとても美しい。
愛聴から、歌詞にも心が傾く。Minato作詩の〈Ombra mai fu〉には、感銘を何度も受けた。
この時代の恋愛詩は、私は背景をよく知らないし、腕の競い合いだったとも思うが、アルバム等でまとめて読むと、私などは過熱や溶解防止装置がかかって、距離を置いて読み出し、浸透しなくなってくる。
“けだし恋愛は感情中の感情であり、人間情緒の最も強い高熱であるからして、抒情詩における最も調子の高い者は、常に必ず恋愛詩に限られて居る。即ち恋愛詩は抒情詩のエスプリであり、言わば「抒情詩の中の抒情詩」である。(萩原朔太郎)”
しかし、〈Ombra mai fu〉は、叙景と叙情が一致して、感覚的にも直接伝わり、何度も味わうことができる。
日本人の私には感覚的に合う上に、透析を重ねて練磨したものは味わいやすく、愛聴となる。
木陰の側を通るとき、街路樹が風にそよぐ時など、折々に思い出される。
“日本では、風景や自然を歌う「叙景歌」は、じつは本来恋心を歌う「抒情歌」として機能すべきものが多かった(大岡信)”
“自然発生的の径路で言えば、和歌の本脈は恋愛歌です。(萩原朔太郎)”
詩も曲もとても美しく、聴く度に心象風景が浮かぶ。緑陰と木洩れ陽、仰角の美しい叙情。
Simone Kermes女史は、他作品の歌唱時の顔の表情から、カラバッジオ『メデュ―サMedusa』を思い出す。彼女のバロックの造詣の深さの現れとして見ている。
ジョバンニ・バッティスタ・ボノンチ―ニGiovanni Battista Bononciniの誕生日(1670年7月18日Modena)に。
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