ジャズ史にその名を残す“OWL”レーベルのプロデューサーであるジャン・ジャック・プショーが新レーベル“Out Note Records”を設立。ジャン・ジャックといえば、ミッシェル・ペトルチアーニの作品を最初に手掛けた人でもあり、スティーヴ・キューン、ヨアヒム・キューンなどといった名だたるアーティストの原点的な名作を生みだした人ですから、そのクリエイティヴィティの高さは、抜きんでたものであったというものです。そして、このレーベル第1弾はロニー・リン・パターソン!前作は、慈しみのような深さに満ちたピアノが感動的で、寺島靖国氏の人気コンピ『JAZZ BAR 2009』にも収録されて、ロングセラーを記録した1作。しかし、このアーティストを最初の最初に手掛けたのもジャン・ジャックなのです(レーベルは“Nightbird Music”)。本作は、意外にもスタンダード集。フランスを代表するリズム・セクションであるムタン兄弟が、ガッチリしっかり、スウィング・ビートも決めてくれる演奏。コルトレーンもモンクも正面から勝負。そして、その中にキラリと光る深い抒情の世界。言わずと知れたマイルスのブルース・ナンバーM4「All Blues」を美しいイントロで導いていくセンス、スロウ・ビートで夢想的な雰囲気を湛えるM6「It's Easy To Remember」、この辺りはロニー・リン・パターソンの真骨頂です。そして、哀愁のラスト「Blue In Green」!繊細なセンスとテクニックをもっているピアニストトだからこそ奏でられる正当派のスウィングと抒情的演奏の数々。前作と一つのコントラストを見せる作品としても注目です!
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2010/12/13)