前作『ヴァージョン』に続き、デュラン・デュランやボーイ・ジョージなどベテラン・アーティストからザ・ドラムスやマイク・スノーなど若手アーティストが参加した楽曲を収録した、マーク・ロンソン&ザ・ビジネス・インターナショナルのアルバム。 (C)RS
JMD(2010/11/18)
2007年に発表したセカンド・アルバム『ヴァージョン』が世界的に高い評価を得たマーク・ロンソンのサード・アルバム。前作でもその多種多様なゲスト・ミュージシャンが話題になったが、今作でもデュラン・デュラン、ボーイ・ジョージ、Q-Tip等のベテラン・アーティストから、ザ・ドラムスやマイク・スノー等の勢いのある若手アーティストが参加。ファースト・シングル「バン・バン・バン」のビデオでは全編に渡り日本語が散りばめられていたり、「サーキット・ブレイカー」のミュージック・ビデオはファミコン往年の名作「ゼルダの伝説」を意識して作られていたりと、本作は日本人にとって親しみ易い内容に仕上がった、時代とジャンルを超越した新しいポップ・ミュージックの形。
ソニー
発売・販売元 提供資料(2010/07/29)
スミス風の写真や『Rio』似のイラストなどを用いて浜省ばりのポートレートをコラージュしたジャケからも一目瞭然、3年ぶりの新作は80sのムードを意識したもの。ただ、UKで不動の人気を誇るマークらしくボーイ・ジョージとサイモン・ル・ボンという二大アイコンを飛び道具に迎えつつも、いまや普遍化しすぎた<80年代>というテーマに溺れることはない。Q・ティップと先行カット”Bang Bang Bang”をはじめ、それらしいシンセで色付けされつつも全体はマーク本来のタイトなループ感覚に貫かれていて、そこに元ピペッツのローゼイから旧知のディアンジェロ、新進のピルやセオフィラス・ロンドンまで多彩なゲストが登場してくる。表題だ仄めかすように、彼の持てるセンスを自由に出し入れしたような快作だ。
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.325(2010年9月25日発行号)掲載)