1933年、イヴリン・ロズウェル(1911-2008)は、コヴェント・ガーデン・ツアーイング・カンパニーのオーケストラのセカンド・オーボエ奏者として、プロとしての最初のポストに2年間就いていたが、スコティッシュ・オーケストラのファースト・オーボエのオーディションの招待状を受け取った。彼女がオーボエを吹き始めたのは、その数年前の10代後半で、そのようなポストに就く資格を得るまで、彼女の進歩は早かった。彼女は、王立音楽大学の学生時代にレオン・グーセンスのもとで過ごしたことがある。1935年12月、イヴリン・ロズウェルは、バルビローリの指揮でスコティッシュ管弦楽団とペルゴレージ協奏曲の初演を行った。1939年、イヴリン・ロズウェルはバルビローリと結婚し、ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の音楽監督を3年間務めていたバルビローリとアメリカで暮らした。
あるコンサートで、イヴリン・バルビローリはペルゴレージの協奏曲を演奏し、それをオーストラリアの作曲家アーサー・ベンジャミンが聴いた。ベンジャミンはその編曲に非常に心を奪われ、ドメニコ・チマローザの音楽をもとに同様の作品を作りたいと申し出た。その後、ジョンがハリウッド・ボウルでコンサートを指揮することになったため、バルビローリ一家がロサンゼルスへ向かう列車でヴァンクーバーを発つまで、彼から何の連絡もなかった。列車はすでに動き始めていたが、ベンジャミンが突然現れ、驚いたイヴリンの手に完成したばかりの楽譜を突きだした。1945年、ジョン・バルビローリは妻に演奏させるために2曲目の協奏曲を編曲、今度はコレッリの作品を使った。ここでは、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタから5つの楽章を選び、ヴァイオリン・パートをオーボエ用に編曲し、原曲の数字付き低音を弦楽オーケストラの伴奏に発展させた。この作品とペルゴレージの協奏曲の両方において、バルビローリは原曲の精神とスタイルを守ることに気を配った。マルチェロの以前の録音では、ボネッリによる編曲で演奏されているという情報が掲載されていたが、実際にはバルビローリ夫人は常に自らの編曲版を演奏していた。
(メーカーサイトより/翻訳:タワーレコード)

発売・販売元 提供資料 （2024/06/07）