ブラジルを象徴する世紀のメロディ・メーカー、イヴァン・リンスの2010年作はオランダ録音。その親しみやすく美しい旋律は、ジャンルに関わらず多くのミュージシャンを魅了してきたことは周知の事実。そんなイヴァンの信望者の1人であるジャズ・ベーシスト、ルード・ヤコブスのプロデュースで完成したキャリアの新たな1ページとなる本作には、彼の音楽から多大な影響を受けた、世界のポピュラー・シーンを代表する素晴らしいゲスト・アーティストとの共演が実現した凄いアルバムに仕上がっている。ウルグアイが誇るメロウ・マスター、ホルヘ・ドレクスレル。スパニッシュ・ポップの第一人者アレハンドロ・サンズ。ヨーロッパ・ジャズのトランペット貴公子ティル・ブレナー。バカラックやマイケル・ジャクソンのトリビュートで知られるシンガー、トレインチャ。そしてあのローラ・フィジー。さらにはテイク6という世界中のビッグ・ネームとのコラボレートが実現。イヴァンの朋友ヴィトール・マルティンスとの書き下ろし新曲をはじめ、シコ・ブアルキ、セルソ・ヴィアフォラ、そしてジョアン・ボスコの息子フランシスコと共作したトラックと、イヴァンのセンスをさらに開花させた新たなパルセイラとの楽曲も有り。全ポピュラー・ミュージック・ファンの注目を集める一大傑作の誕生!
発売・販売元 提供資料(2010/07/01)
ブラジルを代表する世紀のメロディーメイカー、イヴァン・リンスの新作。ジャズ・ベーシストのルート・ヤコブスがプロデュースを担当してオランダで録音されているが、世界各地から呼び寄せられたゲストの顔ぶれは豪華にして幅広く、主役の影響力の偉大さを窺わせる。ドイツのトランペット奏者であるティル・ブレナーをはじめ、共にオランダを拠点とする女性シンガーのトレインチャとローラ・フィジー、スペインの人気者アレハンドロ・サンス、さらにあのテイク6ら、それぞれがみずからの持ち味を活かしながら、リンスの作り出した究極的に豊かな音空間のなかに溶け合っている様子は、まさに有機的。優しく大らかにゲストたちと向かい合う彼の緩やかな表情が思い浮かぶ、宝物のような作品だ。
bounce (C)ネイシャン
タワーレコード(vol.326(2010年10月25日発行号)掲載)
先日の村田陽一とのコラボ作も素晴らしかったブラジルきってのメロディメイカーが、豪華ゲストを迎えた新作を早くも発表。ティル・ブレナー、ローラ・フィジー、トレインチャ、テイク6に、アレハンドロ・サンス、ホルヘ・ドレクスレルなども参加と、何ともきらびやかな顔ぶれだが、サウンドの方は決して華美にならず、全編ゆったりとメロウなジャジー・ブラジリアンに仕上げているあたり、何と嫌味のないことか。抜群に心地よい。ここ数年、本当に絶好調だよな~、この人は。
intoxicate (C)田中幹也
タワーレコード(vol.88(2010年10月10日発行号)掲載)