青柳拓次名義での初のアルバム「たであい」以来、約3年ぶりのリリースとなる今作は、彼が旅を通して感じたことを綴った全篇日本語詞による独特の世界観に、中国古筝、二胡、篠笛、太鼓等の楽器が自然に調和した、アジア発のニュー・スタンダード!前作『たであい』が「静」だとしたら、今作『まわし飲み』は「動」のアルバム。彼ならではの視点で捉えた「和」を表現した、2曲のカヴァーを含む全14曲を収録。
発売・販売元 提供資料(2010/06/18)
『たであい』に続いて日本語詞による新作は、前作同様にシンガー・ソングライター的なアプローチを見せる内容に。沖縄民謡の旋律やチャンチキ・リズムを採り込んだ外向きの楽曲が多く並ぶ本作だが、つるとかめの木津茂理ら参加者たちの合いの手が絶妙で、しなやかな躍動感を持つアンサンブルが形成されている。そのお祭り的ムードのなかを個性的なギターの音色がスイスイ泳いでいく様子がめっぽうユニーク。このアート・アクティヴィストの(いい意味での)得体の知れなさが露になったエクセレントな作品だ。
intoxicate (C)桑原シロー
タワーレコード(vol.87(2010年8月20日発行号)掲載)
Labels UNITEDから注目の第3弾は、青柳拓次の3年ぶりとなるニュー・アルバム。本人名義で初めてリリースされた前作『たであい』同様に日本語での作詞が行われ、古筝や二胡などを用いてオリエンタル・テイストを引き立たせた作りとなっている。だが、比べるとこちらは陽性な気質が濃く表れていて、彼のヴォーカルもいつも以上に軽快で旨みがあるといえよう。朗らかなハワイアン小唄“つきのにじ”や、民謡歌手/太鼓奏者の木津茂理とデュエットした“安里屋ユンタ”など、イージー・ゴーイングでハッピーな楽曲において、彼の飄々とした歌唱が光りまくっている。一方で“おりがみ動物園”のようなしみじみとした味わいを醸す曲も存在感を放っており、絶妙なコントラストを生んでいるところも良い。
bounce (C)桑原シロー
タワーレコード(vol.323(2010年7月25日発行号)掲載)