ジェニファー・ハドソンも出場していたアメリカン・アイドルのサード・シーズンで、多くの競合をおさえて見事に優勝を勝ち取った実力派R&Bアーティスト、ファンテイジアによるサード・アルバム。若い頃から壮絶な人生を歩んできたファンテイジアに与えられた“ギフト”-それは本物の才能だった。新人にもかかわらず超大物プロデューサー陣(ジャーメイン・デュプリ、ミッシー・エリオット、ブライアン・マイケル・コックスら)がこぞって楽曲を提供したデビュー・アルバム『フリー・ユアセルフ』は200万枚を超えるヒットを記録。その後も全米R&Bチャート3位を記録したセカンド『ファンテイジア』をリリースし、順調な活動を続けていたが、またもプライベートな問題に阻まれ、しばらく静寂の中にいた彼女。しかし、その才能が再び動き出す!実に4年振り、多くのファンが待ち望んだ誇り高きホンモノのソウル・アルバム。
ソニー
発売・販売元 提供資料(2010/08/24)
いまだに<アメアイの……>云々という枕詞もナンだが、表題にはあの頃の自分の歌への共感を皆に取り戻してほしいという思いも込められているとか。ゲストはシー・ローのみで余計な飛び道具もないこの3作目では、チャック・ハーモニー製のおだやかな先行曲“Bittersweet”で颯爽と挨拶し、ニーヨやロス・ダ・マイストロらを制作陣に招いて愛らしくも破壊的なハスキー・ヴォイスを完全解放! マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル“Your Precious Love”使いの“Collard Greens & Cornbread”なんて最高だ。ミュージカル「カラーパープル」で主役のセリーを快演した経験も、いっそうの自身と表現力を得る絶好の機会となったはず。<あの頃の自分>どころじゃない、とんでもない充実作だ。
bounce (C)佐藤ともえ
タワーレコード(vol.324(2010年8月25日発行号)掲載)