「かなりの自信作であり、サウンド的に完璧にデザインされている。」とオウテカ自身も高く評価した、2010年の通算10枚目の記念すべきオリジナル・アルバム『Oversteps』。ここ日本では「キャリア史上、最も美しいダンス・ミュージック」と評されたこの作品は本国イギリスでも大絶賛され、新たな手応えを感じながら更なる進化を試みるオウテカが、早くも次なる作品『Move Of Ten』を発表する。『Oversteps』同様、余分な要素を積極的に排し、スペースの重要性を前提にしながらも、“リズム”を強調し、“リズミックなフィーリング”を色濃く反映させたサウンド・スケープが展開されている。『Oversteps』と本作『Move Of Ten』。大きな共通点を持ちながらも、異なる大きな個性を持つ2つの作品。リリース・ツアーも間もなく終了を迎え、キャリアを重ねた2人だからこそ可能となった長期にわたる一連の“実験”が終わりを告げる。オウテカの2人が新たなサウンド・デザインに向かって次なる探究をスタートさせる前に、オウテカが描いたこの美しい軌跡を一度辿ってみるべきだ。必聴!
発売・販売元 提供資料(2010/06/02)
『Overstep』から間をおかずに発表されたEP。だが、収録時間はフル・アルバム並にある。それは同時期に制作され、「ハーモニーとメロディ」を重視したという前作から、選り分けられた作品のようにも見える。実際は、ライヴでのシステムを構築していく中で制作された、リズムを強調した作品が中心になっているそうだ。とはいえ、それは所謂ダンスのためのリズムというよりは、時間を分節化し、空間を変形させていくような作品となっている。どこかイーノの『Music for Films』を思い出させた。
intoxicate (C)畠中実
タワーレコード(vol.87(2010年8月20日発行号)掲載)
単独公演はもちろん、野外の<TAICOCLUB>においても舞台はおろか出店の照明まで落とし、文字通りの漆黒から奇形ファンクをバカスカ投下して来日を盛況に終わらせたオウテカ。『Oversteps』から半年、それと対を成すこの新作は珍しい4つ打ち(LFOのリミックス以来?)も含め、オウテカ節の効いた黒いビートがこれでもかと美しい余白を埋め尽くす逸品だ。ライヴでも思ったけど、素直にこっちを待ってました、はい。
bounce (C)入江亮平
タワーレコード(vol.322(2010年6月25日発行号)掲載)