戦場ものだが、あまりにも美しいカツマレク節!!

『タイム・オブ・ウォー 戦場の十字架』（2008）
サウンドトラック

音楽　ヤン・A・P・カツマレク
監督・脚本・主演　ポール・グロス
共演　カロリン・ダバーナス、ギル・ベローズ

ヴァリース・サラバンドの、良品だが配信販売のみだった作品をCDプレスするシリーズより。トロント国際映画祭で評判を取った、ポール・グロスの監督・主演作。第一次大戦の激戦地パッシェンデールの戦いを描く。音楽をカツマレクに依頼する、ということからして、この映画の何たるをメッセージとするかが見えますが、知らずに聴くと、戦争映画のサントラとは、絶対に分からないぐらいに、優しく美しいストリングスとピアノのサウンドの数々。今までにも、戦争映画にドルリューやデスプラなどが音をつけた人間らしさと同じものを感じますが、本当に、今回の、この音楽の美しさは半端じゃない。そして、過去のカツマレク作品と比較しても、そのメロディの際立ち方が印象的。幸福と不幸の間をいったりきたりするような美しさで、聴いているだけで涙腺もうるむ。これは、美しいストリングスものを聴きたい方にお薦めです。 (C)馬場敏裕