90年代のイースト・コーストのヒップホップ・シーンをリードした、ア・トライヴ・コールド・クエストのラッパー/プロデューサーであるQティップのソロ・アルバム。 (C)RS
JMD(2010/11/18)
なんと9年ぶりとなった90'sヒップホップのパイオニア、ア・トライブ・コールド・クエストのQ-Tipの新作。レコード会社にお蔵入りにされたジャズ・アルバム『カマール・ジ・アブストラクト』以来の付き合いとなるジャズ・ギタリスト、カート・ローゼンウィンケル ( アルバムのオープニングでのコードがカート節全開 )を始め、ロバート・グラスパー(key)やら、デレック・ホッジ(b)やら、何気にジャズ系ミュージシャンが、いっさいソロをとることもなく(笑)、半数近いトラックで生演奏奉仕しております。もちろんアルバムの出来は、最高であります。
intoxicate (C)稲田利之
タワーレコード(vol.77(2008年12月20日発行号)掲載)
『Amplified』から実に9年ぶり──往時は彼一人が担っていたカルチャー・ヒーロー的な役回りもいまやカニエやルーペ・フィアスコらに分散され、何よりそのソロ・デビュー作の立役者だったJ・ディラはこの世を去っている。そんな空白の発端に2001年作のお蔵入りがあったのは確かだが、沈黙の答えは必要以上に劇的な何かを強調するでもなく、単に極上の〈普通のアルバム〉となった。ディラの遺した2曲分以外はすべてを自身で編み上げたあのジャジーなビート、そしてあの声。数少ないゲストとなる盟友のラファエル・サディークとディアンジェロの歌も……95年かよ!と良い意味でツッコミたくなる。ノラ・ジョーンズやロバート・グラスパーらの後進も巻き込んだ、清々しいキャリア復興作だ。ルネッサ~(略)。
bounce (C)出嶌 孝次
タワーレコード(2008年11月号掲載 (P61))