ウィントン・マルサリスが音楽監督を務めるジャズ・アット・リンカーン・センター・オーケストラの2010年作は、12楽章からなる壮大な2枚組組曲。本作でウィントンはアメリカのジャズ／ブルースと、スペインのバスク・ミュージックとフラメンコという一見異なった2つの世界をブルースを使って見事に融合。「スペインで育っていない者としてはスペイン人と同じようにこの音楽を演奏することは不可能だが、スペインの音楽の要素をジャズのサウンドに翻訳して演奏したんだ」と本人。アメリカのオーケストラがスペインの音楽を探求したというだけでなく、本作にはパコ・デ・ルシアとチャノ・ドミンゲスというスペインを代表するミュージシャンも参加。パコ曰く「いつもウィントンに彼のバンドのようなジャズのビッグバンドでソロを弾いてみたいんだと言っていたら、彼が『僕のバンドならいつでも大歓迎さ』と言ってくれたんだ」ということで夢の共演が実現。さらに「この組曲は聴くたびに新しいニュアンス、影、細部など新しい何かが発見できるんだ。この作品を作るのに多くの時間をかけたが、時間のみならずハート、ソウル、全ての感情が注ぎ込まれている。それがミュージシャンというもの」とも付け加えている。本作はウィントンが度々出演してきた、スペインで毎年行われるビトリア・ガステイス・ジャズ・フェスティヴァルへのトリビュート作品となっています。こちらはボーナスDVDを付けた限定デラックス・ヴァージョンです。

発売・販売元 提供資料 （2010/04/28）

JazzTimes (p.58) - "[A] richly rewarding two-CD set that cleverly combines the language of flamenco with the trumpeter's native tongue of jazz."

Rovi