09年を代表するテクノ・アルバムとなったLUCIANO「TRIBUTE TO THE SUN」に続き、CADENZAが10年代の幕開けと共に自信を持って送り出す作品は、VILLALOBOSのSEI ES DRUMから放たれた"Caminando"の爆発的ヒットで一躍トップ・プロデューサーの仲間入りを果たしたREBOOTのデビュー・アルバム! REBOOTはこれまでにCADENZAやCOCOON、LOVELETTERS FORM OSLOなどミニマル/テックハウス系重要レーベルから作品を発表し、さらにCOCOONから「DISCO INVADERS」、CECILLEからは「FROM FRANKFURT TO MANNHEIM」という2枚のMIX CDをリリースするなど、今まさに旬を迎えているアーティストの一人。"Shunyata"(サンスクリット語で「空」の意)と名付けられたこのアルバムは、彼がこの数年間であらゆる物事から受けた影響を反映させた流動的で許容量の広いダンス・アルバムである。2曲目"Me Show"ではLUCIANOを彷彿とさせるオーガニックでデリケートな生楽器と細かく組み立てられたパーカッシブ・ビートが豊かな音響を構築し、5曲目"Save Me"ではシャープなビートの上で伸縮するような不思議な質感を持ったウワモノが自在に変化していく。ジャジーなエレピとヴォイス・サンプルのループが得もいわれぬ高揚感をもたらすM-7"Hermano"はフロアの爆発が容易に想像できるキラー・チューンだ。ラストから2曲目、M-9"Rambon"は10分を超える尺を使いじわじわとヒプノティックにハメていき、中盤以降ドリーミーでメロディアスなシンセを被せ壮大に展開する大作。そしてラストを飾るM-10"Sanchez Says"はラテン系の声ネタと切なげなアコギの爪弾きがこだまする、アルバムの終わりを惜しむかのような感傷的なトラック。基本となるダンス・グルーヴをキープしながらも、これだけ色彩豊かな音世界を築き上げたREBOOTの果てしない才能には驚嘆するしかない。
発売・販売元 提供資料(2010/05/11)
シモーヌのアンニュイなヴォーカルをサンプルした昨年の特大ヒット“Caminanndo”をリカルド・ヴィラロボスのレーベル=セイ・エス・ドラムから放ち、それだけでなくルチアーノ主宰のカデンザ、スヴェン・ヴァス率いるコクーン・・・・・・と、有力ミニマル系レーベルを総ナメした感もあるリブートが初のアルバムをリリース! 彼の得意技であるオーガニックかつパーカッシヴなループ感、そして南米調というかエスニックなウワモノ使いはもちろん全開。特に今回はウワモノの乗せ方が微音で、その位相も微妙に変化させていくなど(“Rambon”に顕著)の小技もニクい! そんなディテールの話抜きで、今作はいま聴くべき、体感すべき最新かつ最上で最注目のミニマル~テクノであり、2010年を代表する大傑作である!
bounce (C)石田靖博
タワーレコード(vol.322(2010年6月25日発行号)掲載)