歌が純粋に歌として響くことの素晴らしさを思い起こしてくれるシンガーソングライター長谷川健一。繊細で冷たい穏やかな光が暖かく震えながら降り注ぐ誰にも真似できないハセケンの世界。その官能的で優しくも切ない叫びは聞くものを別世界へと誘う。レコーディング・メンバーは山本達久(ドラム)、石橋英子(ピアノ/コーラス)、船戸博史(ウッドベース)。静かに穏やかに長谷川健一の世界を盛り上げるこの上ないメンバー。今回のアルバム『震える牙、震える水』は長谷川健一の全てをさらけ出した炎の震えも止まる決定盤。
P-VINE
発売・販売元 提供資料(2010/05/31)
彼の音楽に触れて誰もが称えるのはその歌声。深く、透き通っていてセンシティヴ、切なく不安定なようでいて、浸りきるほどに凛とした花の強さを感じさせるヴォーカルは、まさしく<震える水>のように美しく、孤高だ。京都で活動するシンガー・ソングライターの新作は声もさることながら、静かな喪失感に彩られた歌詞と石橋英子ら俊英揃いの演奏陣による制御を効かせたサウンドもまた、じわりと胸に沁みる。
bounce (C)北爪啓之
タワーレコード(vol.322(2010年6月25日発行号)掲載)
京都の音楽シーンで密かに話題になっていていたシンガー・ソングライター、長谷川健一の最新作。レコーディング・メンバーに石橋英子、船戸博史、山本達久を迎えて作り上げられた歌の世界は、静謐としたなかに繊細で力強いエモーションが息づいている。ファルセットをまじえながら空間を震わせる長谷川の歌声は、曇り空から顔覗かせた陽射しのように軽やかな暖かみを感じさせながら、ふっと奈落を覗かせる瞬間もあり。現実を押し売りするメッセージ・ソングとは対極に、どこか彼岸から聞こえてくるような幻想的な美しさをたたえている。
intoxicate (C)村尾泰郎
タワーレコード(vol.86(2010年6月20日発行号)掲載)