電気化された親指ピアノによるトランス感覚あふれたサウンドが、ジャンルを超えて多くの音楽ファンに衝撃を与えた『コンゴトロニクス』から5年。コノノNo.１が待望の新作を発表した。1曲目からいきなり、エレキ・ギターとエレキ・ベースを加えた編成でびっくりさせられるが、そのほかにも親指ピアノの台数を増やすなど、前作よりもヴァリエーションが広がっていて飽きさせない。衝撃度はそのままに、より音楽的にも深化したという印象だ。コンゴを代表するバンド、ザイコ・ランガ・ランガのギタリストが参加。
intoxicate (C)篠原裕治

廃品を利用した電化親指ピアノのサウンドで世界中に衝撃を与えた彼ら。勢いだけの音だという評価もあったが、この新作ではより幅を広げた演奏が楽しめる。ルンバ風の洒落たエレキ・ギターが微笑ましい"Wubanzanga"をはじめ、親指ピアノの弾き語りなど新機軸の楽曲がおもしろい。もちろん脳味噌直撃のビリビリ・サウンドも健在なので、これまでのファンもご安心を。特にグイグイ飛ばすトランシーな"Makembe"が自眉。
bounce (C)西尾洋儀