近年、日本での『レゲエ』の広がりは凄まじいものがある。横浜レゲエ祭を初め全国各地に何万人をも動員する規模のフェスが全国各地に存在し、CD がオリコンチャートに食い込んでくることも珍しくない。 現在ではあたりまえのように存在するレゲエ・シーンだが、日本での黎明期はどんなものだったのか? 本作ではレゲエのなかでも80 年代から台頭してきた“ダンスホール”と呼ばれるシーンに的を絞り、更にタイトルの通り東京や横浜、湘南を中心とした関東をテーマにしている。 アーティストやサウンドマン、当時を知る関係者など計34 名、100時間に及ぶ取材テープからリアリティーのある証言の数々を元に構成。まだクラブが一般的でなかった頃のラガマフィンが集う怪しい雰囲気や、ヒップホップとの深い繋がり、大阪のシーン、ジャマイカとのギャップ、ダンスホール・シーンがどのように変化していくかの過程が読み取れる。 いままでディスク・ガイドやジャマイカなど海外のレゲエに焦点を当てた書籍は数あれど、日本(関東)のダンスホール・シーンを追求した作品は他に類を見ない! レゲエ・ファンなら必ず持っていたい資料性の高い一冊! 決定盤!
DIS
発売・販売元 提供資料
いまや確固たる地位を獲得した日本のダンスホール・シーンの変遷を、先駆者のRANKIN TAXIやNAHKIら その界隈で活動して(≒遊んで)きた人物の証言からあきらかにする本書。80~90年代の東京/横浜での話を中心に、不便だからこそ自由だった時代の人々の奮闘は実に刺激的だ。レゲエのみならず当時のクラブ文化も浮き彫りにした、すべての夜遊びマスターに捧げる一冊!
bounce (C)カシワサン
タワーレコード(vol.320(2010年4月25日発行号)掲載)
ジャマイカじゃなくて日本、それも関東における(ダンスホール)レゲエの受容から現在にまで至る過程が、多数の現場証言を基に鮮やかに描かれる。草分けの人々の話は当たり前のように滅法面白いのだけど、取材対象に向ける敬意と好奇心に満ちた著者の眼差し、よくあるような社会学や文化論のための素材としてではない、音楽のあり様を描く筆力、音楽ライターとしての矜持と誠実さの証左ともいえるそんな部分が本書の影の主役だろう。あと、脚注の文字量や入れ方が非常に適切で見事、その辺りにも著者の思いが垣間見える。
intoxicate (C)佐藤慶人
タワーレコード(vol.85(2010年4月20日発行号)掲載)