地元ニュー・オーリンズが最注目。24歳にして既にミュージシャンズ・ミュージシャンとなっているシンガー/ソングライター/トロンボーン、トランペットほかマルチ・インストゥルメンタル・プレイヤー、トロンボーン・ショーティがVERVE FORECASTからメジャー・デビュー!プロデューサーはギャラクティックのベン・エルマン。レニー・クラヴィッツ、アラン・トゥーサン、マーク・ブラッサードなど大物がゲスト参加!タイトルの『Backatown』とは彼が生まれ育ったニュー・オーリンズのダウンタウンのこと。ルイ・アームストロング生誕の地やジャズの誕生につながったコンゴ・スクエアがあった“アメリカで最も音楽が盛んな市の中の最も音楽的な街”。この街の根底にあるジャズ、そこから派生したR&B、ソウル、ファンク、ロック、さらには現代のストリートに根付いたHIPHOPの要素も取り入れたゴチャマゼな彼のスタイルは“SUPAFUNKROCK”。アラン・トゥーサンの名曲「On Your Way Down」をトゥーサンのピアノと一緒にカヴァーしている以外は全てショーティーによるオリジナル曲で、インストもあればヴォーカル入りの曲も程よくブレンド。中でもやはり一番の注目曲は彼がツアー・バンドの一員として以前活躍したレニー・クラヴィッツがギター、バック・ヴォーカルで参加するM4。トロンボーンの演奏はもちろん、実は彼のヴォーカルもとてもソウルフルで心地いい。
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最近も映画「プリンセスと魔法のキス」の挿入曲で演奏するなど、地元ニューオーリンズの若き顔役として内外で活躍するトロイ・アンドリュース。兄ジェイムズとのデュオやバンドでの作品こそあれ、純然たるソロは『Trombone Shorty's Swingin' Gate』以来8年ぶりだ。今回はギャラクティックのベン・イールマンを舵取りに迎え、トロンボーンのみならず鍵盤&ドラムスや歌でも個の技量を大きくアピール。伝統的なファンクから豪快なパーティー・バウンスまで多彩な楽曲はいずれもヒップホップ世代(まだ24歳!)らしいタイトなビート感が最高で、アラン・トゥーサンやレニー・クラヴィッツらの客演も効果的だろう。要所で披露される歌の味わいも捨てがたく、こりゃライヴが観たい……と思ったら、<フジロック>に参戦!?
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.321(2010年5月25日発行号)掲載)