吹いてゆく風が気持ちよく感じられる季節になったら、こんなジャズ・バラッド・アルバムいいかも。(1)がジェームズ・テイラーの名曲カヴァーというのがまず心にズーンと。その後続いてゆくのはジャズ・スタンダード、ボッサのロマンティック・メロディの数々。何かいいこと起こりそうな…“キスへのプレリュード”(11)をソロ・ピアノで。
タワーレコード(2010/05/18)
辛口ジャズ評論家として知られ、「聴いて楽しい」ことを重視する主義の持ち主である寺島靖国氏が大絶賛したファンキー3部作『ミス・ソウル』(2006年)、『ビック・ブーガルー』(2007年)、『トリッピン』(2008年)。氏からは「ハッとするようなオリジナル曲で勝負できるピアニストが久しぶりに現れた」とオリジナル曲と、リスペクトする黒人音楽の探求の両方の側面が高く評価された。そのエリック・レニーニが次にトライしたのは、メロディー・メイカーとして強く影響を受けた20世紀に残された名曲達。ジャズ・スタンダードとして現在、未来に残されるべき名曲を、解りやすく、ポップに仕立て上げたバラード・アルバムです。
ビデオアーツ
発売・販売元 提供資料(2010/04/14)
ベルギー出身の敏腕ピアニストによる新作。録音はさきの1月というから出来立てのホヤホヤもいいところ。ブラック・ミュージックのルーツを辿るアルバムを出すなど、毎度意表を突いた構想の作品に取り組んでいる彼が今回着目したのは、ある特定の範囲のテンポが生み出すその音楽的可能性だろうか。スタンダードとオリジナルを織り交ぜ、とにかくゆっくりとした速度への拘りをみせた、まるでホーン奏者のように1音1音を大事に響かせる演奏のため、音符の伸長部分が滅茶苦茶味わい深げ。編成はトリオでもソロでも、その卓越したメロディ弾きとしての本性が明らかに。
intoxicate (C)本橋卓
タワーレコード(vol.85(2010年4月20日発行号)掲載)