ブラジルのサウダーヂとイタリアの粋が、ダヂという希有の存在を通して美しくも胸締めつけられるポップスに結実。ボッサ、ネオアコ、イタリアン・ジャズ、室内楽からトロピカリアまで想起させる、どこまでもフレッシュで、ポエティックな余韻が心に染み渡る傑作。ダヂが2009年、イタリアに渡り現地のミュージシャンと共に制作したのが本作。フェルッチオ・スピネッティ(b)、ジョヴァンニ・チェカレリ(p)、フランチェスコ・ペトレーニ(ds)にダヂ(vo, g)を加えた4人が本作の主要メンバーで、イタリアの3人は皆ジャズ・ミュージシャンとして長いキャリアと実績をもつ手練達。メンバーの共作による新曲の他、ダヂの過去2枚のソロ・アルバムの人気曲から、イタリア、ブラジルのヒット曲まで、幅広いレパートリーを収録。注目は冒頭4曲。ダヂのもつネオアコ的な感性とピュアな歌声が胸を打つM1、M2に始まり、ダヂの息子アンドレとチェカレリによる共作M3、ダヂのセカンド・アルバムに収録されマリーザ・モンチもシングル・カットにしたヒット曲M4。他にも、カエターノ&ジル『トロピカリア2』に収録の名曲カヴァーM8、イヴァン・リンスが歌声を聴かせてくれるバラードM12など、聴き所、愉しみ所が随所に盛り込まれた1枚。イヴァン・リンスの他、マリーザ・モンチ、ウィルソン・ダス・ネヴィス、マウロ・ヂニスら豪華ゲストも参加。
Rip Curl Recordings
発売・販売元 提供資料
70年代の黄金期から最近はマリーザ・モンチのサポートまで、MPBの生き証人ともいえる活躍を見せるダヂが、イタリアに渡って現地のジャズ・ミュージシャンと作品を完成。ボサノヴァ~MPBを軸に粋なイタリアン・ジャズや爽快なネオアコなどにもアプローチした、サウダージ感と透明感に溢れるリリカルなサウンド&テンダーな歌声は美しく、リラックス効果も抜群だ。マリーザ・モンチやイヴァン・リンスらゲストも豪華!
bounce (C)ダイサク・ジョビン
タワーレコード(vol.320(2010年4月25日発行号)掲載)
元ノーヴォス・バイアーノスにして、現在はマリーザ・モンチの右腕としても知られる男前SSWダヂが、イタリアに渡り、現地のジャズ・ミュージシャン達と共に新作を作り上げた。彼のジェントルで繊細な歌声を前面に押し出したアコースティック・サウンドは、いかにもイタリアらしい洗練に彩られ、品良く絡み合うアコギやピアノ、エレピの響きがなんとも美味。カエターノやジョー・バルビエリのファンならば思わずうっとりしてしまう、ダヂのキャリアでも最も美しき傑作だ。マリーザ・モンチやイヴァン・リンスもゲスト参加。
intoxicate (C)田中幹也
タワーレコード(vol.85(2010年4月20日発行号)掲載)