世界中のアーティスト、早耳なビート・ジャンキーから注目を浴び続けてきたL.A.のプロデューサー/アーティスト、Flying Lotus。あのジャズ界のレジェンドであるJohn Coltraneを叔父に持つという生い立ちだけでなく、ポストJ Dillaと言わしめる程の存在感と卓越したセンスを併せ持つ次世代の才能が、衝撃EP『Reset』に続いて発表した待望のフル・アルバム。歪んだアナログ・ノイズから始まり、時にキックとスネアの乱打にウネウネとシンセ・ベースが迫り、爽やかなコーラス・ループをドス黒いビートが塗りつぶす。そして彼の真骨頂である、硬質ドラムにシンセ/サンプルが重層的にブレンドされたコズミックかつ太いビートが圧倒的な存在感を放つ。部屋の中でヤバい1枚に遭遇し心躍らせたアノ頃へと時間を戻し、そこから一気に未来へと瞬間移動させてくれる奇跡の1枚。
発売・販売元 提供資料(2010/04/15)
〈ポスト・J・ディラ〉だの〈マッドリブもヘヴィープレイ〉だの、昨年のEP『Reset』の時点で圧倒的な存在感を見せつけてくれたLAのビートメイカーが、ワープ移籍後初となる渾身のフル・アルバムをお披露目です。ジャズやコズミック系のシンセ・サウンドにまとわりつくようなベースラインと、切り刻まれた硬質ビートは、EPで聴かせた濃厚な世界を押し進めてさらなる深みへと達したもの。荒々しいようで聴き込むと実に繊細な仕上がりは、かのアリス・コルトレーンを叔母に持つというバックボーンにも頷けます。流石は名門・ワープが惚れ込んだ才能だけあって、ビート・フリーク泣かせな粘着質のドス黒いグルーヴが出まくり! ディラ亡き後のブレイクビーツは彼に任せてみようじゃありませんか!
bounce (C)田中 直樹
タワーレコード(2008年06月号掲載 (P81))
ビートミュージックの時代は変わった。
また、民族楽器の導入/16分のヨレたハット/コズミックなコード/サイドチェインの効いたベース/ヒップホップのスピリットを感じるグルーヴ感など、未来的で混沌とした本作は、これ以降のモードを決定付けた。別世界的な違和感を感じる“気味の悪い音”。本作に漂うそんな音こそが革命の音となったのだ。