デニス・ルへインのミステリー小説を映画化した『シャッターアイランド』(2010年4月公開/出演:レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ他)のオリジナル・サウンドトラック。壮大なオーケストレーションを中心に、舞台となる1950年代アメリカを想起させるブルース、ジャズも収録。 (C)RS
JMD(2010/06/17)
スコセッシ+ディカプリオ+ロバートソンのチームが満を持して放つミステリーのサントラ。オリジナル・スコアものに似た興奮体験。
『シャッター・アイランド』(2010)
サウンドトラック2枚組
音楽監督 ロビー・ロバートソン
過去に『ミスティック・リバー』の映画化もあるデニス・レヘインのベストセラー・ミステリーをマーティン・スコセッシ監督とディカプリオのチームが映画化。孤島に立つ、精神を病んだ犯罪者の病院で起こった事件。さて、多くのスコセッシ監督の作品のサントラがそうであるように、今回も、さまざまな既成作品から音楽監督ロビー・ロバートソンらの選曲の妙が冴える内容。イングラム・マーシャル、クシシュトフ・ペンデレツキ、ジョン・ケージ、ナム・ジュン・パイクなどの現代音楽、『戦場でワルツを』で映画ファンにも記憶されたマックス・リヒターの過去作、ブライアン・イーノのアンビエント・ミュージック、そしてラスト近くはケイ・スター、ロニー・ジョンソンの50年前後の女性ヴォーカル、そしてラストにはなんとリヒターの曲にダイナ・ワシントンの別曲の歌声を重ねるという超絶アイデアによる感動のナンバー。オリジナル・スコアはないサントラなのですが、全体を構成するのは、数々の現代音楽。スコアを鑑賞するスタンスと同じ感覚で味わっていただけます。そして、選曲のすごさ、現代音楽ジャンルへの興味の拡張と、刺激も強い、ユニークな構成のサウンドトラック。お薦め。 (C)馬場敏裕
タワーレコード(2010/02/12)