オカルト的な雰囲気とサウンドを奏でるバンド、神聖かまってちゃんのミニ・アルバム。独特の世界観を持つ彼らの魅力が最大限発揮された作品。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
インターネットの世界から突如現れた神聖かまってちゃん。の初音源!2ちゃんねらーたちを相手に自作自演で大暴れして叩かれてみたり、YouTubeにアップしたデモ曲で2ちゃんねらーに衝撃を与えてみたり、深夜の山間で全裸でライヴする等の動画を次々に配信してみたり、一人でノートパソコンに話しかけながら人混みを行く異様な姿でインターネット住人の間で“神”とまで言われたり…。2009年には応募1600組から勝ち残り一般応募枠でサマソニに出演を果たしている彼ら。楽曲は耳馴染みの良い美しいメロディにやる気のなさそうな気だるいヴォーカルでイジメに遭った過去や今を生きる不安感を歌い上げます!先の見えないぐだぐだなライヴ・パフォーマンスにも定評あり!
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曲はちゃんとしている。アレンジに改善の余地は残っているが、鍵盤を上手く活かした演奏も結構良いし、ベーシックは極めて正攻法のロック・バンドの姿だ。ゲロ吐くようだったり呟くようだったり泣き叫ぶようだったりするヴォーカルと、露出狂スレスレのトゥーマッチなリリックゆえに、<2チャンネル>で火が点いて以来何かと騒がれてきたが、このファースト・ミニ・アルバムは真っ当なユース・カルチャーとしてのロックに聴こえる。そう、音楽的な斬新さや味わいなどには目もくれず、ウザいほどの自己主張と他者啓発という一点にのみ価値基準を置いたロックンロール。惑わされるな。情熱を根っこに持った普通に愛すべき良いバンドだ。これが異様に聴こえる人は、日常、抑圧されすぎているだけなのではないか。
bounce (C)岡村詩野
タワーレコード(vol.319(2010年3月25日発行号)掲載)