ジャイルス・ピーターソンを筆頭に数多くのトップDJから絶賛されているカナダ・オタワ発の、マルチカルチャル、マルチリンガル、マルチジェンダーな6人組アフロ・ファンク・バンド、ソウルジャズ・オーケストラが熱いホーン・セクションを筆頭とする超ファンキーなライヴ演奏が生んだグルーヴ滴るネオ・アフロ・ファンク全開なサウンドを聴かせる2010年作品。優雅で壮大なスケール感を演出するイントロM1で幕を開け、一転してアグレッシヴなビートと熱いホーンのブロウに身体が揺れるハードなアフロビートM2。エチオ・ジャズの祖、ムラトゥ・アスタケの影響を色濃く感じさせるダークなエチオ・ジャズ/エチオピアン・グルーヴM3。スピリチュアルなソウル・ジャズM4、伝統的なギニアのリズムに基づいた12/8アフロ・ジャズなM5、クラリネットとフルートが印象的なレイドバックした12/8アフロ・ジャズM6。バンド結成初期に作曲されたというモダンなM7、ファラオ・サンダースの2部構成となる長編リメイクM8、M9まで、さらにネオ・アフロビートを洗練、昇華させたアーバンでクール、それでいて熱いソウルも感じる2010年代アフロ・グルーヴの決定盤。
---
タワーレコード
これは凄い!前2作でも緻密に作り上げたバンド・アンサンブルを武器にフェラ・クティ・フォロワーの枠に収まらない方向性を見せていた彼らだが、本作では曲ごとの色というか振れ幅が過去最高に大きく、その突き抜けっぷりと格好良さがハンパないのだ!ムトゥ・アスタツケを彷彿とさせるエキゾティックな旋律が妖しい"Negus Negast"、スピリチュアル・ジャズ・ファンも虜にするであろうスロウ・ナンバー"Lotus Flower"、もちろんド級の格好良さである直球アフロビート"Agbara"と駄曲は皆無。壮大なイントロで幕を開け、ファラオ・サンンダースのリメイクで締めるというアルバムのトータルな流れも含め、ケチの付けようのない傑作です!早くも今年のアフロビート作品、大本命の登場!
bounce (C)西尾洋儀
タワーレコード(vol.318(2010年2月25日発行号)掲載)