アフリカの伝統音楽と現代的なサウンドを融合させた独自の音楽性が、世界的に評価を受けている、マリ出身のシンガー・ソングライター、サリフ・ケイタのアルバム。「ラ・ディフェロンス」「 セイドゥ 」「エコロ・ダムール」「サミーニャ」ほか、耳馴染みがよく心地よいナンバー集。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
自らもAlbinoとして生まれてきて30年以上世界の第一線で活躍するヴォーカリスト、サリフ・ケイタの2009年作。アルバム・タイトルが示すのはAlbinoということだそうで、本作はAlbinoのために作られた作品とのこと。自分を含む彼らの勇気、痛み、時に直面する不公平さに耐えていることにトリビュートを捧げたおり悲観的にくれるのではなく人生の喜び、愛などをアフリカならではの楽観さ、美、エレガンス、ポエトリー、優しさ、太陽と自然などで表現した強力作品。
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タワーレコード
偉大なる〈アフリカの声〉の新作は、アルビノ(先天性白皮症)の人々に捧げられたもの。サリフ自身も王族の子孫でありながらアルビノであるがゆえに迫害を受けたという過去を持つ人であるが、その歌には悲観が一切感じられず、ここにあるのは希望だけだ。シンプルで温もりに溢れたポップ・サウンドと、いつになく平安な歌唱が強烈に沁みる。2曲をジョー・ヘンリーがプロデュースし、ビル・フリゼールの客演も光った良作。
bounce (C)田中幹也
タワーレコード(vol.317(2009年12月25日発行号)掲載)
アフリカ音楽界のカリスマ、サリフ・ケイタの新作。近年の好調を維持して相変わらず安定感抜群の仕上がりだ。アコースティックな質感を生かしたアレンジも上々で、曲によってはアラブ風のストリングスを配したものもある。多くの曲でギターを弾く盟友のカンテ・マンフィーラをはじめとするバックのサウンドも完璧。今回目を引くのは《Folon》、《Papa》という過去のナンバーの再演で、その2曲をあのジョー・ヘンリーがプロデュースしていること。《Folon》ではギターでビル・フリゼールも参加している。
intoxicate (C)篠原裕治
タワーレコード(vol.83(2009年12月20日発行号)掲載)