ネオ・ソウルのアイコン=バドゥが2008年リリースした『ニュー・アメリカ パート・ワン』の続編となる、第5弾アルバム。アメリカの現状を反映し、政治的かつメッセージ性の強い作品だった前作とは異なり、エモーショナルでエンターテイメント性の高い内容になっている。 (C)RS
JMD(2010/06/17)
2008年3月にリリースされた、才女エリカ・バドゥの4作目『ニュー・アメリカ パート・ワン』と対をなす続編アルバム。現在のアメリカを反映し、極めて政治的かつメッセージ性の強い作品だったパート・ワンとは異なり、パート・ツーではよりエンターテイメント性の高い内容。“新たなるアメリカ”はエリカと共に次のステージへ…。
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タワーレコード
ライヴ盤を含めて通算6作目。今作についてエリカ自身は<『Baduizm』の時期を思い出したわ>と発言しているが、これは初期のような演出過多に戻るのではなく、ありのままの自分の心情に<リターン>したという意味。ポリティカルな<Part One>から一転してメロウでロマンティックな内面を表したのは、あの“Honey”を歌うきっかけとなったジェイ・エレクトロニカとの蜜月~出産という出来事の影響もあるのだろう。クェストラヴがドラムを叩く“Window Seat”、大ネタ使いが連続する中盤、J・ディラのビート上で言葉をゆらゆらと紡ぐ“Love”、ジョージア・アン・マルドロウ作のコズミック・ジャズ“Out Of Mind, Just In Time”などエリカのメロウ・サイドが充満する快作だ。こういう彼女が聴きたかった!
bounce (C)池谷昌之
タワーレコード(vol.320(2010年4月25日発行号)掲載)