Elgar: Violin Concerto Op.61 / Nikolaj Znaider, Colin Davis, Dresden Staatskapelle

『エルガー／ヴァイオリン協奏曲』初演100年記念録音！
この作品は、エルガーの中でも非常にロマンティックな作品であり、約45～50分の長大な器楽作品のひとつ。スコアの裏にはスペイン語で「ここに・・・の魂がまつられている」と不思議な言葉が記されている。終楽章には伴奏つきの長いカデンツァが挿入されています。
実際、この作品はフリッツ・クライスラーに献呈されたものですが、クライスラーは録音しておらず、歴史的演奏としてハイフェッツやメニューインなどがありますが、演奏されることは意外と少なかったようです。しかし最近では様々なヴァイオリニストによって積極的に録音されるようになってきています。
2010年は、この作品作曲100年記念として、ニコライ・スナイダーは新たに完璧な楽譜の研究この作品に挑みました。そして、クライスラーがこの作品の初演の際に使用した1734年製のガルネリを使用しているのにも驚きです。ヒラリー・ハーン盤のバックでも完璧な名演を担当したコリン・デイヴィスが、この盤でもバックを務めているのも見逃せません。
ニコライ・スナイダーは、2009年の「クラシックFM」誌での投票で、ヴァイオリニスト・トップ10に選ばれている実力・人気をもつヴァイオリニスト。彼自身語っていますが、現代ヴァイオリンの奏法ではなく、アウアーからクライスラー、そしてハイフェッツなどの古典的奏法の流れをくんでいるそうです。この作品において、エルガー自身もクライスラーもそうしたロマンティックなものを目指していたのではないかという点においても、スナイダーの演奏は近年において貴重な演奏となることでしょう。 ［コメント提供；ソニー・ミュージック］
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This may or may not be the most passionate, polished, and persuasive performance of Elgar's magnificent Violin Concerto ever recorded, but it is surely the greatest recording violinist Nikolaj Znaider has yet made. Listeners who have followed his career have long recognized him as a major talent; his stupendous technique, glittering tone, distinctive timbre, and wholehearted commitment to the score are tremendously impressive. Not all of his recordings have been successful, though. His disc of encores was staggering in small doses, but deadly dull if heard all at once, and his recording of the Mendelssohn and Beethoven concertos was all but sunk by Zubin Mehta's overbearing accompaniment. Here, Znaider has a stunningly difficult work that demands his complete aesthetic and emotional attention, and a conductor who not only knows and loves the work, but knows how to accompany a soloist. Znaider tears into Elgar's love letter of a concerto with such unquenchable ardor that one fears for his instrument and his heart. He consistently triumphs over every difficulty, and his performance is as emotionally affecting as it is musically impressive. On the podium, Znaider has a true partner in Colin Davis, and together with the superlative Staatskapelle Dresden, they turn in one of the finest recordings of Elgar's concerto ever made. Recorded in lush and enveloping digital sound, this disc should be heard by anyone who likes the work or enjoys great violin playing.

これまた意外な三者の組み合わせ。エルガーでデイヴィス、は至極当然だがスナイダーとドレスデン、とは不意打ちですね。デイヴィス御大はヒラリー・ハーンの【DG】盤/LSOよりもしっとりしたドレスデンの音色を生かして更に味わい深く仕上げている。そしてスナイダー！筆者はブラームスのソナタでこの人の良さを初めて知ったのだが、このエルガーも思索に満ちた、その上技術的にも完璧な演奏を聴かせている。エルガー・フレイヴァーを尊重しつつもスナイダー独自の読みが素敵。最近のこの曲の録音では出色かと思う。
intoxicate (C)藤原聡