独自のポエトリー・リーディング・スタイルとジャズ/ファンクを自由自在にブレンドさせ新たなスタイルを幾つも作り上げてきた、60歳を超えても闘い続ける詩人、ギル・スコット=ヘロンの13年ぶりとなるアルバム。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
60歳を超えても闘い続ける詩人ギル・スコット・へロンの13年振りとなる2010年アルバム。独自のポエトリー・リーディング・スタイルとジャズ/ファンクを自由自在にブレンドさせ新たなスタイルを幾つも作り上げてきたギル・スコット・ヘロン。ジャズ、ファンク、ヒップホップなど多くのアーティストが影響を公言するワン&オンリーな偉大なミュージシャンである彼が、時に政治的に、時に自らの思想を込めた辛辣なメッセージを、重厚な打ち込みサウンド/ジャズ・サンプリング、極限まで研ぎ澄まされたビートと共に吐き出す!
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タワーレコード
世界中のラッパーに多大なる影響を与えたことは言わずもがな、いまなお伝説を刻み続ける詩人が13年ぶりに放つメッセージ。レーベル主宰者のリチャード・ラッセルがみずから深く関与したこのXL移籍作は、ジャズ・サンプルやフリー・フォークをベースにしたエレクトロニックなビートが、力強いポエトリー・リーディングやブルージーな歌声と共鳴し合う新境地に。なかでも注目は、カニエ・ウェスト"Flashing Lights"のトラックを用いて痛烈な詞を突き刺す"On Coming From A Broken Home"。これは現代のヒップホップに対する彼なりのオマージュである。デビューから30年経ったいまも変わらない彼の姿勢が現在の社会や音楽シーンにどういった影響をもたらすか、興味は尽きないところである。
bounce (C)藤井大樹
タワーレコード(vol.318(2010年2月25日発行号)掲載)