いっぱいの悲しみをたぐり寄せ、言葉と音でぽつんと紡ぐ雨音のような音楽。トクマルシューゴバンドのアコーディオン担当、ユミコによるソロ2枚目が、やさしくドロップされました。アコーディオンのほか、ピアノ、ギターにグロッケン、さらに無数のおもちゃで情景的な世界を作り上げる繊細ガーリー・アヴァン・ポップ。耳をくすぐる歌声は、物憂いメロディを重ねながら、すっと遠くに消え入ります。フィンランドのフォナル勢にも通じるこの感覚。ふわり、というよりも、ひやりと枯れたポップ感がほど良く心に染み入ります。
intoxicate (C)久保正樹

トクマルシューゴ&ザ・マジックバンドのアコーディオン奏者、ユミコのソロ・ユニットによる新作。ピアノやアコーディオン、ピアニカなどのアコースティック楽器による愛らしい響きと、彼女の囁くような歌声はとても穏やかで平和で、〈お母さん、今日の夕飯はシチューね!〉みたいなヌクヌクとした温もりに包まれる。でもなぜだろう、どこか寂しげなんだな。どうしようもなく人恋しくなる、冬のサウンドトラック。
bounce (C)加藤直子