UK女性アーティストとして史上初となる、デビュー作での全米No.1を獲得したレオナ・ルイスが、ワンリパブリックのライアン・テダーら、売れっ子プロデュサーを連ねて放つセカンド・アルバム!オアシスのカヴァー「ストップ・クライング・ユア・ハート・アウト」他を収録。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
2007年の全英デビュー以降、全英/全米を始め世界12カ国でNO.1に輝き、数々の金字塔を打ち立てた新たなるワールドワイド歌姫、“20年に1度の奇跡”と称されたレオナ・ルイスのセカンド・アルバム。5オクターブの声域をもつズバ抜けた歌唱力/表現力と、その才能だけではない生まれ持ったスーパースター性を兼ね備えた真の正統ディーヴァとしてこれ以上ない華々しくセンセーショナルなデビューを飾った彼女が、その実力にもさらに磨きをかけて、さらなる高みへと歩んだ注目作。ライアン・テダー、マックス・マーティン、ジョン・シャンクスなどの強力ヒット・メイカーが参加。
---
タワーレコード
〈20年に一度の歌声〉との売り文句で登場し、デビュー作『Spirit』では見事20年ぶりにUKの女性ソロ・シンガーとしてUSアルバム・チャート初登場1位に輝いたレオナ・ルイス。まるで最初からスターになることが決められていたかのような、ちょっと出来すぎた話じゃないですか。もちろん本国での支持も厚く、北京オリンピックの開会式では次回開催国の代表としてジミー・ペイジと共に参加するなど、早い段階から音楽シーンの要人に抜擢。このニュー・アルバム『Echo』にオアシス“Stop Crying Your Heart Out”のカヴァーが収められているのは、そうした国民の期待に応えるための配慮なのでしょうか。しかし、やはり視線の先にはUSマーケットがあるようで、こと日本における彼女の扱いがR&Bではなく狭い意味での〈ポップス〉に留まっていることに、ますます違和感を覚えてしまいます。例えば、非常にレイヴィーなアップ・チューン“Outta My Head”などシンセ・ベースが効果的に使われた楽曲はアーバン・ミュージックのトレンドに沿うものだし、ゴスペルチックな“My Hand”をはじめとする得意のミディアム・スロウにしたって俄然ビートが立ってきた印象。ただ、そうした多彩な楽曲を器用に乗りこなすというより、良くも悪くもすべて自分色に染め上げてしまうあたりが微笑ましくもあり……。それこそ、デビュー時から比べられていた憧れのホイットニー・ヒューストンに、歌唱力のみならず、大きく近づいてきたようにも取れます。流行に呑み込まれようのない、〈20年に一度の歌声〉の本領発揮……といったところでしょうか。
bounce (C)山西絵美
タワーレコード(vol.316(2009年11月25日発行号)掲載)
美人である。決して正統派ビューティーではないが、〈あわよくば南の島でいっしょに戯れたい〉と大方の男子に思わせる、実にエキゾティックな魅力のある美女だ。ルックスが良いというのも立派な才能である。だがもちろん、彼女の最大の魅力は5オクターヴの声域を持つという圧倒的な歌唱力であることは間違いない。前作『Spirit』は、その驚くべきヴォーカルを全力で開陳するためにあえてバラード主体で押し切るという内容だった。その心意気には拍手を送りたいが、作品全体を通すとやや平坦な印象があったことも否めない。2年ぶりとなる本作は、彼女の大ヒット曲“Bleeding Love”を手掛けたライアン・テダーをはじめ、マックス・マーティン、ジョン・シャンクスら当代きってのヒットメイカーたち、さらにジャスティン・ティンバーレイクやニーヨなどキラ星の如き制作陣を迎えて華やかだ。豪華なサウンド・プロダクションに支えられた楽曲も実にヴァラエティー豊かで、バウンシーなビートのダンス・ナンバーや煌びやかなギターが先導するアップ・チューンも交えたことにより、対比的にバラードの輝きもいっそう際立ってきた。アルバム全体の大きな起伏はまた、レオナのヴォーカルの類い稀な表現力を前作以上に鮮烈に提示することに成功している。〈歌の力〉を存分に堪能できるポップ・エンターテイメント作品として近年屈指の一枚だ。美人度が上昇していることにも注目。戯れたい。
bounce (C)北爪啓之
タワーレコード(vol.316(2009年11月25日発行号)掲載)