生きるロック・レジェンド=ボブ・ディランが、40年を越えるキャリアの中で初めて贈るクリスマス・アルバム。「サンタクロースがやってくる」「リトル・ドラマーボーイ」「ウィンター・ワンダーランド」など、定番中の定番をたっぷり収録している。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
40年を越えるキャリアの中で、初となるクリスマス・アルバム。ディランは1979年にユダヤ教からボーン・アゲイン・クリスチャンに改宗、聖書を学び直しより普遍的な人生観を見出して制作した『スロー・トレイン・カミング』は賛否両論飛び交う話題作だったが、後に高評価を得る。その後の作品においてもキリスト教の影響が見え隠れする歌を執筆。今作は、2009年5月にサンタモニカにあるジャクソン・ブラウンが所有するグルーヴ・マスターズ・スタジオで録音。企画自体は以前から考えていたようで、そのために当初秋といわれていた『トゥゲザー・スルー・ライフ』の発売が繰り上がったと言われている。バックを支えるのは前作から若干変更され、フィル・アップチャーチ(G)、パトリック・ウォーレン(Key)らが加わっている。収録曲は、クリスマスの定番であるスタンダード曲の数々で、イラストのジャケットと相まって、ディランらしい作品が完成した。
タワーレコード
キャリア初のクリスマス盤。〈なぜいまさら?〉とかあれこれ考えて、さぞや説教臭い内容なのかと思いきや、開けてビックリ! 良い意味で普通でした。普通にお馴染みの曲を歌っているだけ。でもそれが物凄く良いんです。フィル・アップチャーチやパトリック・ウォーレンら腕利きを集結させてはいるものの、緊張感は皆無。アコーディオンやペダル・スティール、鈴の音が鳴り響くなか、非常に能天気な、もとい穏やかなしゃがれ声が楽しそうに転がっていくのです。これを平和と呼ばずして何と呼ぶ? そうか、ディランはみんなに〈平和〉の意味を伝えようとしているのかも!
bounce (C)山西絵美
タワーレコード(vol.316(2009年11月25日発行号)掲載)