ビルド・アン・アークが提示する愛の世紀。比類なき美しさと深い祈り、癒しの力と平和への希求をたたえた、まぎれもない最高傑作。ここにスピリチュアル・ジャズやあらゆる既成概念を超えた、新たな音楽が誕生。鬼才カルロス・ニーニョのメイン・プロジェクトであるビルド・アン・アーク3枚目のアルバム。フィル・ラネリンのTribe時代の名曲「How Do We End All This Madness?」の再演やヴァン・モリソンの名曲「Sweet Thing」、ファラオ・サンダースの「Love Is Everywhere」など、今作にも素晴らしいカヴァーが収録されていますが、それを超える魅力を持っているのがオリジナル曲。先行12インチに収められた躍動と歓喜のアンセム「This Prayer: For The Whole World」の力強さ、これ以上ない美しさとヒーリング・フォースに溢れた「Sunflowers In My Garden」、感動的なクライマックスを迎える「May It Be So」、カーメン・ランディを迎えた発掘曲「More Love」など、これまでの試みがある種の成熟に達した、まさしく最高傑作。
タワーレコード
孤高のスピリチュアル・ジャズ集団による新作は、コルトレーン〈至上の愛〉を独自解釈したもの。引き続きフィル・ラネリンやドワイト・トリブルらも参加し、活動の集大成的な傑作に仕上がっている。ピアノやフルートの美旋律、荘厳なコーラス、プリミティヴなグルーヴが入り乱れるなか、それらを見事な整合性でまとめ上げる手腕は流石。またヴァン・モリソン“Sweet Thing”のカヴァーも秀逸で、作品の世界を広げている。
bounce (C)藤井大樹
タワーレコード(vol.316(2009年11月25日発行号)掲載)