ハード・ヒットなビート×巨大なエゴ×絶えないビーフでヒップホップ・シーン最強の男として君臨し続ける50セント!その彼が、さらにアグレッシヴにダークに自分を晒す。エミネム×ロイド・バンクスのファミリーに加え、ニーヨーも参加する、客演も豪華な第4弾アルバム。 (C)RS
JMD(2010/10/18)
2007年のサード・アルバム『Curtis』リリース時に既にアナウンスされていた“自我崩壊の日”と題しての通算4枚目となるオリジナル・アルバム。その好戦的な言動/行動がヒップホップ・シーンにおいて最重要(危険)人物として警戒され続ける男が再び天下取りに参戦!プロデュースはDr. Dre & Eminemという鉄板体制で、ファースト・シングル「Baby By Me」はメロディ王者Ne-Yoを迎えたキラー・トラック。
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タワーレコード
ラッパーはよくアスリートに例えられるが、だとすれば50セントはプロレスラーだ。自身の強さよりもゲーム全体の熱を世間へ届けんとする姿は、2年前のカニエとの一件からも窺えたし、最近もファット・ジョーを聴いて入院するビデオを作ったり、嬉々として敵の宣伝に勤しむ姿はもはやリック・フレアー状態である。なので、この4作目もブツ自体に過度の気負いはなく、生々しいエロ話とイヤミとワル自慢が、ズルムケな鼻歌ライムで披露されていくばかりだ。馴染みのドクター・ドレーらと並んで今回も無名のビート職人を多数抜擢。自身の“I Get Money”をネタ使いした先行ヒット“Baby By Me”でのニーヨをはじめ、R・ケリーやガヴァナーが要所に挿し込む歌声も効果的で、いつも以上に中毒性のある内容だろう。
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.316(2009年11月25日発行号)掲載)