クエンティン・タランティーノ監督作品『イングロリアス・バスターズ』のサウンドトラック。1960~1970年代のサントラを中心にセレクトされていて、テーマが復讐だけに熱いスコアが目白押し。タランティーノ監督の映画への愛情がすみずみから伝わってくるサウンドトラック。 (C)RS
JMD(2010/06/17)
ブラッド・ピットを主役に迎え、タランティーノ史上もっとも大掛かりな作品となった本作は、第二次世界大戦を舞台に、ナチス抹殺に命を賭けたならず者部隊の活躍を描いたアクション大作。気になるサントラのほうは、60~70年代のサントラを中心にセレクトされていて、なかでも注目は、サントラ界の巨匠エンニオ・モリコーネのナンバーを4曲収録していること。マカロニ・ウェスタン『復讐のガンマン』(68)、サスペンス・アクション『非情の標的』(73)、史劇大作『アロンサンファン 気高い兄弟』(74)など、それぞれジャンルは違えどもモリコーネへのリスペクトが伝わる選曲だ。とりわけ、モリコーネ的ともいえる美しいメロディーの「Un Amico」(『非情の標的』より)は劇的なシーンで使用されている。その他、メキシコ戦争における名高い戦いを描いたジョン・ウェイン主演/監督作『アラモ』(60)から、有名なテーマ曲「遙かなるアラモ」、『燃えよ!ドラゴン』でお馴染みのラロ・シフリンによる『戦略大作戦』(70)、アフリカを舞台に傭兵たちの戦いを描いた『戦争プロフェッショナル』(68)など、様々な戦争映画を彩ったスコアが物語を盛り上げる。また、第二次世界大戦中にドイツで制作されたプロパガンダ映画『Die grosse Liebe(日本未公開)』(42)や、ドイツ産ミュージカル映画『Gluckskinder(日本未公開)』(36)から、それぞれ挿入歌を収録。その他、『キル・ビル Vol.1』でも使用された『白熱』(73)のメインテーマや、「5人目のビートルズ」とも呼ばれたビリー・プレストンが歌う『シンジケート・キラー』(72)の主題歌「スローター」などを収録。そんななか、本作の主題歌ともいえるのが、デヴィッド・ボウイが歌う『キャット・ピープル』(81)だ。
タワーレコード
タランティーノ最新作のサントラは、戦争モノや西部劇などB級映画のスコアを中心にまとめられたもの……なのだが、多くがテイク違いだったりで、タラのひねくれ&オタクぶりが全開。また、エンニオ・モリコーネを4曲使用しているあたりに、巨匠へのリスペクトを感じたり。そして、映画の主題歌ともいえるデヴィッド・ボウイ“Cat People”にも注目。歌詞と物語がシンクロし、復讐の炎が燃え上がる!
bounce (C)村尾泰郎
タワーレコード(vol.315(2009年10月25日発行号)掲載)
全編、過去のサントラからの選曲で贈る、
タランティーノによる趣味全開作品!!
『イングロリアス・バスターズ』(2009)
サウンドトラック
監督 クエンティン・タランティーノ
主演 ブラッド・ピット、クリストフ・ワルツ、
マイケル・ファスベンダー、イーライ・ロス
イタリア映画『地獄のバスターズ』を原案として出発するも、
結果、戦争映画にインスパイアされたタランティーノ映画
として完成した、いかにもなエンタテインメント!!
サントラの内容は、今回、完璧に過去の映画音楽からの選曲。
しかも、今回気になるのは、敢えて?かサントラ音源で
ないカバー演奏の選曲。「遥かなるアラモ」は、パーシー・
フェイス亡き後オーケストラ・リーダーも努めた名アレンジャーの
ニック・ペリートの楽団のイージーリスニング色強い演奏で、
「荒野の1ドル銀貨」は日本のビクターがフィルムスタジオ・
オーケストラで録音したもの(これも、ムード歌謡的アレンジ)、
モリコーネのサントラ音源は「復讐のガンマン」「続・夕陽の
ガンマン」「非情の標的」「アロンサンファン」から、そして
ビリー・プレストンによる「シンジケート・キラー」の主題歌、
ルーシェ「戦争プロフェッショナル」、シフリン「戦略大作戦」といった
いかにもな中に、なぜかボウイの「キャット・ピープル」なんかも
忍ばせる。もはや、これは映画オタクの個人的なベスト盤か、
的なタランティーノ趣味全開サントラ、それでいいんです!!
とにかく、キメたナンバーばかりなワケですから。
(C)馬場敏裕
タワーレコード(2009/08/10)