直枝政広(当時は政太郎)がカーネーション結成以前に在籍していたカーネーションの前身となるアヴァン・ポップ・バンド、耳鼻咽喉科の幻の音源が初CD化。カーネーションの代表曲でもあり、森高千里がカヴァーして話題となった「夜の煙突」の初演やカーネーションのバンド名の由来となった「花の運河で溺れたい」を含む貴重な音源&映像を収録したアンソロジー・ボックス。耳鼻咽喉科解散直後に直枝自身が編集した自主(非公開)盤『偉大(はずかしく)なる2年』の完全復刻に加え、スタジオ録音楽曲などレア音源から選りすぐった楽曲をボーナス・トラックとして収録。DVDには奇跡的に保存されていた'82年6月の耳鼻咽喉科デビュー・ライヴ、'82年11月の立川38avenueでのライヴ映像を収録。さらに当時のライヴ写真やフライヤー、耳鼻咽喉科メンバーへのインタビューなどの資料を掲載した豪華ブックレット付き。音源、映像とも全て本邦初公開、カーネーション前夜を物語る貴重なボックスである。
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タワーレコード
カーネーションの新作『Velvet Velvet』があまりに素晴らしくて思い切り涙したばかりだったが、こちらも鼻水が垂れっぱなしになる衝撃的品物。直枝政広が以前に組んでいたアヴァン・ポップ・バンドの幻の音源をギュウギュウ押し込めたアンソロジー。デビュー・ライヴの映像まで観られてしまうのだから、鼻水が噴水状態になるのも仕方がない。衝動がつんのめってでんぐり返しを起こしている《夜の煙突》の初期形ほか、直枝の才気が迸る曲がテンコ盛り。来春には25年ぶりの再結成ライヴもあり。でっかいタオルを用意しとこう。
intoxicate (C)桑原シロー
タワーレコード(vol.83(2009年12月20日発行号)掲載)