ニュー・ロマンティックスの旗頭=JAPANのヴォーカリストとして絶大な人気を誇り、坂本龍一他日本人アーティストとのコラボでも名高いデヴィッド・シルヴィアンが、その内的世界を"侘寂"なアンビエント・サウンドで語りかけるアルバム。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
ヴォーカルはもとより、作詞・作曲、プロデュース、演奏を手がけ、音楽を表現媒体としてアーティストとしての道を歩んできたデイヴィッド・シルヴィアン約6年ぶりのアルバム!あくなき音の探究を続けるシルヴィアンが、また新たな音楽の領域を切り開く!元JAPANのデイヴィッド・シルヴィアンが、自身の作品や、コラボレーターでもある実弟のスティーヴ・ジャンセンの作品、その他、彼らがプロデュースするアルバムをリリースするために設立したレーベル、サマディ・サウンドより放つソロ・アルバム第2作。前作に続いての参加となるクリスチャン・フェネスに加え、アヴァン音楽集団AMMのジョン・ティルバリー、デレク・ベイリーの盟友エヴァン・パーカーが参加。そして、日本を代表する即興音楽家たち、大友良英、中村としまる、Sachiko M、秋山徹次が参加。これらのアーティストたちによる即興演奏と、デイヴィッド・シルヴィアンの限りない温もりと包容力あふれる歌声が緊張感たっぷりに絶妙に絡み合い、美しいとしか喩えようのない音世界を構築している。日本盤のみのボーナス・トラック1曲収録。解説/歌詞・対訳付。
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タワーレコード
ソロ名義としては6年ぶりのニュー・アルバム。デレク・ベイリーやクリスチャン・フェネスと作り上げた前作『Blemish』は、デヴィッドの新しい方向性を示す傑作だったが、今回も引き続き即興演奏を重視。ジョン・ティルバリー(AMM)やエヴァン・パーカー、日本からは大友良英、秋山徹次といった前衛的なミュージシャンが参加して、2004年以降、場所とメンツを変えながら3回に分けて行ったというセッションを元に構成されている。緊張感が張り詰めた空間に、温かな液体のように染み渡っていくデヴィッドのエモーショナルなヴォーカル。エレクトロニカ的な加工も加えて研ぎ澄まされた音響と、強い磁場を放つ歌声が共鳴し、幽玄とも言えるスピリチュアルなサウンドスケープが広がっていく。
bounce (C)村尾泰郎
タワーレコード(vol.314(2009年09月25日発行号)掲載)